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[オピニオン]全斗煥の「経済大統領」司空壹

[オピニオン]全斗煥の「経済大統領」司空壹

Posted January. 04, 2017 08:27,   

Updated January. 04, 2017 08:31

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全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は新年の挨拶会で、「経済に詳しい司空壹(サ・ゴンイル)のような人が、(大統領を)一度やればいいと思う」と言い、「私は経済のことはよく知らないが、司空壹のような人がよくサポートしてくれたから、忘れようとしても忘れられなかった」と話した。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領については、「経済ことなんか何一つ知らない人だ」と直撃を飛ばした。新年初日に幸せを祈る席での言葉としては、トゲのある言葉だ。

◆司空壹は1982年、韓国開発研究院(KDI)の副院長時代、ポール・サミュエルソンなどの世界的碩学とKBSに出演して対談したことがある。テレビを注意深く見ていた全斗煥は、流ちょうな英語に達弁だった彼が気に入り、経済首席に抜擢した。1983〜1987年に経済首席として成長や物価、国際収支の3頭のウサギを一挙につかんだ人が司空壹だ。大統領選挙を控えている今、誰も大統領選挙候補として考えていない世界経営研究院の司空壹院長を、全斗煥が大統領候補に挙げたのは興味深い。

◆実は全斗煥の経済大統領は別にいる。1983年10月、ビルマ(ミヤンマー)のアウンサンテロで殉職した金在益(キム・ジェイク)だ。1980年、新軍部の実力者として政権を握った全斗煥の悩みは、政治や社会ではなく経済だった。1979年の2回目のオイルショックで国家経済がぐらついた時、経済企画院経済企画局長出身の金在益を大統領の傍に置いたのは大きな幸運だった。全斗煥が金在益に対して、「なんだかんだ言うことなどない。経済は君が大統領だから」と語ったことは、今も官庁街で取りざたされている。氏が経済首席になったことで、朴正煕(パク・ジョンヒ)時代の時、政府が主導した経済政策は市場中心に変わり、その後しばらくは、「檀君(タングン)以来の最大好況」を謳歌した。

◆金在益が生きていたなら、全斗煥は氏を経済大統領に真っ先に選んだかもしれない。韓国経済の高度成長の足掛かりを作った金在益と司空壹を、朴大統領と大企業との間で金のお使いをしていた安鐘範(アン・ジョンボム)前経済首席と比較することはできないだろう。経済問題に限り、朴大統領は全斗煥の毒舌に言い訳なんかできないだろう。司空壹などの経済専門家が今回の大統領選挙に出るならどうなるか知りたい。

崔永海(チェ・ヨンへ)論説委員 yhchoi65@donga.com