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[オピニオン]亡命客への暗殺脅威

Posted December. 29, 2016 08:33,   

Updated December. 29, 2016 08:34

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レオン・トロツキーは、亡命先のメキシコで活発な活動を繰り広げながら、スターリンへの批判を止めなかった。トロツキーの自宅の周りには、二重のコンクリートの壁が設置されており、銃を持った支持者らが24時間警戒した。スターリンは何度もトロツキーの暗殺を試みたが失敗した。しかし、スペインのとあるスターリン主義者が、億万長者の息子を装ってトロツキーの女秘書の妹に近づき、トロツキーの「要塞」への進入に成功した。1940年8月、トロツキーは書斎で、彼の登山用手斧で打たれて死亡した。

◆金玉均(キム・オッキュン)は1884年、明成 (ミョンソン)皇后政権に対してクーデターを起こしたが失敗し、日本に亡命した。明成皇后政権は何度も刺客を送って彼を排除しようとした。金玉均は10年間、日本各地をさまよった後、1894年、中国清国の李鴻章に助けを求めようと、上海に渡った。しかし同年12月、朝鮮の刺客「洪鍾宇(ホン・ジョンウ)」が金玉均に近づいた。フランス留学中の彼は、フランス料理の技で金玉均の歓心を買った後、彼を拳銃で殺した。

◆北朝鮮で労働党国際担当書記を担当し、1997年韓国に亡命した黃長燁(ファン・ジャンヨブ)氏は、北朝鮮政権には目の敵のような存在だった。2010年4月、黄氏を殺害する目的で侵入した北朝鮮軍少佐のキム・ミョンホとトン・ミョングァンが検挙された。二人は、その前年に脱北者を偽って韓国内に入ってきたが、情報機関の監視で暗殺実行前に発覚された。2010年10月に死亡した黄氏は生前、警察の保護の下、防弾ガラスの家に暮らし、ベッドの枕元には常に30センチの長さのナイフを置いて寝たという。

◆北朝鮮の駐英公使を歴任し、今年7月に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)氏は、黄氏以降の最高位級脱北人物だ。氏は19日、国会情報委に出席し、身辺の脅威を甘受してでも公に活動をしたいと明らかにし、一昨日は政府ソウル庁舎で統一部出入記者団と記者会見を行った。太氏は、「金正日(キム・ジョンイル)の妻の甥である李韓永(イ・ハンヨン)が暗殺されたことは知っている」と語り、「統一は、個人や集団の犠牲無しには実現できない」と強調した。氏の勇気に拍手を送りながらも、生命の脅威が一生付きまとうことを考えると、痛ましい気持ちになる。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com