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[オピニオン]メリークリスマスのために

[オピニオン]メリークリスマスのために

Posted December. 24, 2016 08:11,   

Updated December. 24, 2016 08:33

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米国人にとって、今年のクリスマスは少し特別と言える。クリスマスの挨拶として、メリークリスマスを支持したドナルド・トランプが、ハッピーホリデーズ(happy Holidays)の側に立っていたヒラリー・クリントンを抑えて当選したためだ。ハッピー・ホリデーズは、狙いはよかったものの、あまりにも作為的だ。欧州は、米国よりもっと無神論的だが、クリスマスの挨拶が議論になったことはない。フランスでは、ジュワユ・ノエル(Joyeux Noel)であり、スペインでは、フェリス・ナビダッド(Feliz Navidad)、ドイツでは、フローエ・ヴァイナハテン(Frohe Weihnachten)だ。

◆韓国ではクリスマスを公式的には聖誕祭と呼んでおり、「楽しい聖誕」や「メリークリスマス」とあいさつをする。最近発表された10年ぶりの人口統計で、何ら宗教を持っていない人が56.1%で、国民の半分を優に超えているが、クリスマスの挨拶が問題になったことはない。欧米と違って、クリスマスが新年まで続いて一年を区切る長い祝日でもない上、クリスマスと釈迦誕生日とが公平に休日に指定されているためだろう。

◆今年のクリスマスは、景気も芳しくない上、政局まで落ち着いていないせいか、全然気が乗らない。ソウル光化門(クァンファムン)広場に設置された「愛の温度計」は、20日までは温度が23.5度(844億ウォン)で、昨年同じ時期の半分ぐらいにとどまった。各企業の寄付で22日は41.7度(1495億ウォン)まで上がったものの、依然、例年より一段と低い水準だ。愛の温度も、ケインズ流にテコ入れをしなければならないような気がする。貧しい隣人までが皆楽しいクリスマスになるためには、もっと努力して分かち合う姿勢が必要だ。

◆今年は、よりによって、クリスマス前夜が週末だ。今日は、「下野クリスマス」というテーマでろうそく集会が開かれるという。歌手らが出演して、カロルを歌うフェスティバルとして行うとはいえ、大きな過ちを犯した人でも、クリスマス前夜にその自宅の100メートル前まで詰めかけて行って、退くように叫ぶのは、クリスマス精神に合致するのかどうかわからない。ドイツ語に、シャーデンフロイデ(Schadenfreude)という言葉がある。他人が苦しければ、私は楽しいという意味だが、それこそ正義の楽しさかもしれないが、聖誕の楽しさではない。