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選択した苦難

Posted March. 04, 2019 07:31,   

Updated March. 04, 2019 07:31

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「私を信じなさい。人生の中で最大の成果と喜びを収穫する秘訣は、危険な人生を過ごすことにある」(フリードリヒ・ニーチェ)

実は考えてみれば、歴史に記録された偉人の中で幸せな日常を営んだ人はほとんどいなかった。彼らは、地に落ちたが立ち直ったし、変化の波に乗り、自分を極限の状態に追い込んだ。彼らは険しい道を選び、苦難を買って出た。しかし、今、周りを見れば、一様に楽で安定した生活を目指していることが分かる。しかし、現実的にその目標に到達するまでに、どれほど大きな難関が待ち構えているか経験したことのない人は知らない。手近な例として、公務員試験を準備する「公試族」もそうだ。彼らが越えなければならない山は、並大抵の山ではない。それでも、その前に立ち並んでいる。その山さえ超えれば、乳と蜜の流れる地が出てくると信じているからだ。

しかし、私たちの人生はそのいかなるものも約束しない。危険はどこにでも潜んでいて、誰も明日に何が起こるかわからない中で一日一日を生きていく。

そのため、いわゆる成功した人々、歴史に足跡を残した人々は躊躇わず危険を選んだ。小説「1984」を書いたジョージ・オーウェルの人生を記録した本を最近読んだ。英国の中産階級の家庭に生まれた彼は、いくらでも快適な生活を送ることができたにもかかわらず、警察の身分を捨てて作家の人生を選んだ。彼は早朝5時から夜10時まで、みすぼらしいホテルの厨房で皿洗いとして働きながら、時には鉱山労働者として働いたりした。弾丸が飛び交う戦場で、従軍記者として働くことを買って出た。彼が生まれ付き喘息と肺疾患を患ってきたことを考えれば、ほとんど自殺行為と同じだった。彼は社会の底辺を経験しなくては、真の作家になれないと思ったので、自ら最も難所、最も低いところに入った。これにより、私たちはそのどこにも見られなかった非凡な文学作品のプレゼントを受けた。

「私はすべての文の中で、血で書いたものだけを愛する。血で書け」。ニーチェの言葉だ。