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冷麺店も知っている

Posted February. 02, 2019 09:34,   

Updated February. 02, 2019 09:34

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#1.「総長のはどこに行ったのか」

先日、大統領府付近のあるレストラン。一行の1人が壁を指さしてこう言った。潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長のサインが入った額がなかったからだ。このレストランの壁には有名人のサインが多い。国連に行く前からの長年の常連である潘氏の額はしばらくよく見える壁にかかっていた。職員に尋ねると、(大統領選候補に名前が挙がった)2017年の初めまではかかっていたが、大統領選後『目につかない』所に移した」と話した。

#2. 金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道(キョンサンナムド)知事が拘束された翌日の先月31日。冷麺が食べたくなってソウル武橋洞(ムギョドン)のある老鋪に行った。潘氏の馴染みの店以上に有名人のサインが多い店だ。会計のカウンターに行ったところ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のサインが中央にあった。

そのすぐ下に誰かの額があった。他の額は間隔があるが、これはほとんどくっついてかかっていた。よく見ると、尹錫悅(ユン・ソクヨル)と書いてあった。肩書は書かれていなかったが、尹錫悅ソウル中央地検長のサインだった。「2017.6.17.○○麺屋は心の故郷です」と書いてあった。

同名の人か尹氏を「詐称」したのかもしれないが、尹氏がサインした公開文書を見ると、同じ筆跡だった。職員に尋ねたところ、「よく見える所にかかってあるのは、それだけの理由があるのではないか」と話した。

ソウル市内、特に大統領府に近い古いレストランに行けば、人々が世間をどう見ているのかが推察できる。潘氏は大統領選レースで途中下車したのでそうだとしても、武橋洞の冷麺店はなぜ尹氏のサインをこのように配置したのだろうか。政権3年目に入ったが、文政府と言えば、まだ積弊清算が最初に浮び上がるからではでないか。他の多くの有名人より尹氏が「積弊清算のアイコン」として少なくとも冷麺店では認識されている証拠だ。所得主導成長、2回目の米朝首脳会談も重要だが、人々が肌で感じる波及力は2017年の朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領で始まり、18年の李明博(イ・ミョンバク)元大統領、19年の梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長(最高裁長官)の逮捕につながる積弊清算ドライブが大きいということだ。金氏の拘束についても与党は「梁承泰積弊勢力の報復裁判」と主張するので、広く見れば積弊清算問題に入っている。確かに大統領首席秘書官のうち政務、国民疎通、経済などの核心首席は皆交代されたが、新年に入っても曺国(チョ・グク)民情首席は揺るぎない。積弊清算、司法改革を続けて実行するということだ。

金氏の拘束後、政界はいつよりも強力な積弊清算問題に包まれている。与党は三権分立を無視し、野党は大統領選の無効を言及して衝突している。政治元老は「司法の嵐」に政治が最低限の自尊心と存在感も守れていないと絶望している。ある与党の重鎮は、「今私たちは前例のない、検事と判事が全国を掻き乱す司法共和国に住んでいる」と述べた。野党の重鎮は、「与野党がすべての問題を検察捜査に任せて自害行為をしている。これでは、野党だけでなく与党も居場所がない」と嘆いた。

昨年7月の就任後、「今は国会の季節」と言って、政治修復に向けて東奔西走してきた文喜相(ムン・ヒサン)国会議長も最近、挫折感を吐露している。先日、周囲に「もうすぐ春が来るのに、国会にも花が咲くだろうか」と苦言を呈したという。残念ながら記者の考えでは、今のように大統領府と瑞草洞(ソチョドン)に振り回されては、しばらく政治の花は咲きそうにない。


李承憲 ddr@donga.com