Go to contents

直観的な徐廷柱

Posted November. 30, 2018 08:32,   

Updated November. 30, 2018 08:32

한국어

大韓民国を代表する詩人で文学の巨頭である未堂・徐廷柱(ソ・ジョンジュ)は、韓民族の文化と情緒を独特の言語を使って解釈した。彼は優れた言語感覚、15冊の詩集という多作、均等に優れた作品の完成度、伝統素材の活用などで、現代詩の歴史に一線を画した。「菊のそばで」、「自画像」、「歸蜀途」、「冬天」などの作品は、今でも多くの読者に愛されている。ところが、彼には、日和見主義者という批判がつきまとう。日本帝国を称える10数本の詩と小説、批評文を書き、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の発足る時は放送に出演して、彼を支持する発言をしたなどの理由だ。彼の人生は詩のように美しくはなかった。文字の分析結果は、彼が優れた詩人になった理由も示しているが、逆に素晴らしいものではなかった人生を送った理由も教えてくれる

彼の文字の特徴は、「ㄹ」ではっきり分かるが、感性的で直観的だが、その程度が出過ぎており、時には衝動的という分析も可能だ。徐廷柱は80歳の時に自分の詩「鶴」を直筆で書いたが、そこには「ㄹ」が9回も出ている。ところが、そのほとんどが途中で線が切れて、論理的ではなく、直観的であることを物語っている。判断や推理などの思惟作用を経ずに、対象を直接的に把握する傾向がある。また、「ㄹ」を構成する3つの横線の間隔が互いに異なっていて、論理ではなく、感情や感性が優先することが分かる。文字のサイズや間隔なども不規則で、このような分析を裏付ける。

徐廷柱の字の他の特徴も、彼の反民族、反民主的行動と関連がある。まず文字の間隔が広い。このような字を書く人は、自分に寛大で、新しいか異なる環境への適応をうまいことを意味する。また文字は、特に最初の文字が大きい。これは気前がよくて大胆で誇示慾があり、外向的で表現を好むということを物語っている。このような特徴は、親日派や裏切り者の文字でよく見られる。徐廷柱の感性、直観力、表現力、最高になりたいという熱望は、彼を文学界の巨匠に仕立てたが、論理的ではなく、過度に直観的であり、意志が足りず、激動の時代に自分を守るのは難しかっただろう。

弁護士・筆跡研究家