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白鳥の暴力

Posted November. 28, 2018 08:45,   

Updated November. 28, 2018 08:45

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ギリシア・ローマ神話によると、ゼウスは川で入浴するスパルタの王妃レダの裸を盗み見て陰謀を企てる。彼は白鳥に変身して、ワシに変身した彼の息子エルメスに追われる状況を演出する。レダは白鳥が気の毒で懐に抱いてくれる。すると彼は凶暴な力でレダの体を蹂躙する。

最近、ポンペイで発見されたフレスコ壁画は、私たちをその神話の中に案内する。ところが、不思議なことに壁画の中の白鳥とレダは神話とは全く違う。レダの目には恐怖や痛みの兆しがない。白鳥のサイズがレダに比べて著しく小さいことも、不思議なのは同じだ。その小さな体が暴力の主体だなんて。住宅の壁画だから、暴力的要素を最大限に順化させて描いたからだろう。しかし、いくらそれでも暴力は暴力なのに、個人の家の壁画として描くなんて、驚くべきローマ帝国のサディスティックな趣向だ。

この神話の本質を理解するためには、その壁画よりは、暴力性を前面に浮上させたWB・イェーツのソネット「白鳥とレダ」を参照する必要がある。「急襲。彼女のよろめく体の上で静かにばたつかせる巨大な翼」という詩句が換気することは、華奢な体を圧倒する、「太ももを黒い水かきで握って、首筋をくちばしでつかんだ」巨大なボディである。イェーツの詩は、彼が所蔵していたエリー・フォールの「美術史」に写真として載っており、大英博物館に所蔵されている大理石のレリーフ、すなわち巨大な白鳥が小柄の女性の首をくちばしで押す姿をほぼそのまま描写する。

詩人がそうしたのは、アイルランドの歴史を隠喩するためだった。レダはアイルランドだった。白鳥が放つ「白い殺到」に無気力に伸びるレダの体は、英植民地主義の暴力にさらされたアイルランドのメタファーだった。彼は植民地主義に苦しめられる祖国の傷を神話になぞらえて慰めようとした。しかし、その狙いは分かるが、思慮深い試みではなかった。単純な比喩にとどまるには、描写があまりにも暴力的なのでそうだ。過度な暴力の再現が危険な理由だ。

文学評論家・全北大学教授