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景気刺激策はより慎重にせよ

Posted November. 24, 2018 08:17,   

Updated November. 24, 2018 08:17

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先月、国際通貨基金(IMF)は、今年の韓国経済成長率の見通しを6ヶ月前の予測値である3.0%から2.8%に引き下げた。最近、韓国銀行と韓国開発研究院(KDI)も経済成長率の見通しを2.7%に引き下げ、2.5%と予測した機関もある。来年の経済成長率の見通しは、そのほとんどが2.6%以下で、なおさら暗鬱である。経済成長率が下落しており、今後、追加的下落が予想される状況である。経済が不況の泥沼に陥っているという不安が押し寄せている。

経済成長率の下落の理由は、いくつか考えることができる。まず、世界経済状況の悪化に伴う世界経済の成長減速を挙げることができる。米国の金利引き上げを中心に、グローバル流動性が急激に縮小される中、新興国では資本流出による経済不安が進められている。米中貿易紛争により一寸先を予測しにくくなり、世界経済の成長減速に一役買っている。

貿易と金融開放度の高い韓国は、このような悪材料に大きく露出している。国内の産業構造の変化、経済政策の問題、労働市場の問題なども、経済成長率の下落に影響を与えたかもしれない。長期的な経済成長余力の減少、すなわち潜在成長率の減少傾向も、経済成長率の下落に影響を及ぼしたかもしれない。

経済成長率が下落する現状で、真っ先に思い浮かぶのは、マクロ経済政策を利用した景気刺激である。つまり、財政支出の増加と租税減免などの財政拡張政策と金利の引き下げ、流動性供給などの通貨拡張政策だ。実際来年の政府予算案を見ると、今年より9.7%増加した大規模な財政拡張政策を計画している。また、最近、韓国銀行の金利引き上げを巡る議論を見ると、経済成長率の下落が金利引き上げに負担となっている。

経済が不況のときは、マクロ経済政策を利用して景気安定化のために努力することが重要である。しかし、現状では大々的な拡張政策をすぐに実施すべきか、追加的な拡張政策をすぐに実施すべきかは明確でない。これらのマクロ経済政策は、現在の経済成長率が経済の長期的均衡状態(潜在成長率)以下の場合は有用だが、現在の状況がそれに当たるか明確ではない。今年の経済成長率の見通しは、現在いくつかの機関で計算した潜在成長率推定値よりも若干低いレベルであるが、大幅に低い状態ではない。

また、潜在成長率をリアルタイムで正確に計算することは困難な作業であり、現在、実際の経済成長率が潜在成長率を下回るかどうかは明確でない。特に潜在成長率が一定の状態ではなく、下落傾向にあれば、正確な潜在成長率の推定はなおさら難しい。既に低金利政策がここ数年間続いているので、現在の経済はすでに扶養されている状態であるかもしれない。

さらに重要なことは、景気刺激策は、短期的に経済を活性化させることはできるが、長期的には経済を困難にする可能性が高いことである。財政拡張政策は、長期的に投資を構築するだけでなく、政府の負債を蓄積させて、長期的経済成長にマイナスの影響を与える可能性が高い。継続的な通貨拡張政策は、長期的に家計負債を増加させ、住宅価格のバブルを招く可能性があり、インフレ率を上昇させることができる。

すぐ目の前に見える経済成長率の下落を解決することも重要だが、長期的に経済の成長余力を引き上げ、潜在成長率を上げることのほうが、はるかに重要である。韓国の経済成長率を予測した複数の報告書が今後10〜20年後は1%台の潜在成長率に達すると予測している。しかし、一般的な景気刺激策が、このような問題を解決することは難しい。景気刺激によって成長低下の原因かもしれない産業構造、労働市場、経済政策問題を解決するのは難しい。

過度な景気刺激は、経済の長期的成長の余力を減少させるだけでなく、現在の潜在成長率について錯視現象を起こして、潜在成長率の下落傾向を見落とす可能性もある。時間が経つにつれ、現在の潜在成長率の水準と景気判断がより明確になるので、景気刺激策は、より慎重に行いつつ、長期経済成長の余力向上により一層努力を傾けなければならないだろう。すぐ目に見えるのは不安であり、心は急がれるだろうが、そんな時ほど、より根本的なこと、長期的なものに目を向けるべきときである。