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塗料を注ぎ込んだ画家

Posted July. 05, 2018 08:58,   

Updated July. 05, 2018 08:58

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「美術は盗作でなければ革命だ」。フランスのポスト印象派画家ポール・ゴーギャンの言葉だ。美術は、既存の慣習を繰り返す盗作でなければ、以前にはなかった全く新しい方法を示す革命だけがあるという意味だ。美術の歴史は数々の革新的な芸術家たちによって書かれてきた。ジャクソン・ポロックも西洋美術の長い伝統と観念を破った革命家の中の革命家だった。

1943年7月、大工として働いていたポロックは、富裕なコレクターでありディーラーだったペギー・グッゲンハイムと専属作家契約を交わしたことで専業画家となった。グッゲンハイムは真っ先に自分のニューヨーク自宅の内部壁画を依頼した。マルセル・デュシャンの提案で、ポロックは実際の壁ではなく、キャンバス布上に絵を描いた後、壁に取り付けた。

この壁画作業をきっかけに、ポロックは西欧絵画の伝統と完全に決別した。まず彼はイーゼル、パレット、オイル塗料などの伝統的な絵画材料を捨てた。その代わりに缶、木の棒、家庭用塗料などを選んだ。材料だけでなく、絵を制作する方法も完全に新しくなった。巻物キャンバス布を床に伸ばした後、缶に入った塗料を木の棒や古い筆でまき散らしたり、投げたり、注ぎ込んだりした。ポロックは、巨大な画面を埋めるために、まるでダンスをするように全身を動かしながら作業を行った。見方によっては、これは絵画ではなく、キャンバス上の行為芸術のようだった。また、左右上下のない「オールオーバー(All over)ペインティング」だった。米芸術評論家ローゼンバーグがこれを「アクションペインティング」と命名したことで、ポロックは、アクションペインティングの先駆者となった。

「私は、キャンバスを床に置いて作業するときに、より気楽さを感じる。このように作業をすると、キャンバスの周りを歩きながら四方で作業することができ、文字通りに絵の中にあるので、絵とより近く感じられ、私が絵の一部になったような気がする」。1947年にポロックが言った言葉だ。このように彼は絵を描くのではなく、絵の中に入ることによって絵と一つになり、以前にはなかった全く新しい方法の革命的な美術を示し、20世紀の美術のアイコンになった。

美術評論家