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魔女狩りに終わった「金光石他殺説」

Posted July. 04, 2018 08:48,   

Updated July. 04, 2018 08:48

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中世欧州での魔女狩りは、主に裕福な未亡人を狙った。魔女をわきまえる第四の方法は「水の試験(Wasserprobe)」で、容疑者を縛ったまま水に落とす。水はきれいな属性を持っているので、魔女なら水の外に追い出されるので浮かぶと信じていた。浮かばずに溺死すれば、疑いを晴らし、浮かび上がると火刑に処した。どのような結果であれ、命を落とし財産は没収される。

◆歌手の故金光石(キム・グァンソク)他殺疑惑を提起したイ・サンホ氏(告発ニュースの記者)と映画の関係者たちが名誉毀損などの容疑で起訴意見で検察に渡された。ソウル地方警察庁は、事件の関係者46人の証拠記録を調査した結果、イ氏などが映画「金光石」と記者会見、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などを通じて繰り広げてきた△妻のソ・ヘスン氏が金光石を殺害した疑いがあり、△著作権を実家から奪い、△娘を放置して死なせ、△9か月の乳児を殺害したなどの主張はすべて事実ではないと結論を下したと、3日明らかにした。

◆イ氏の疑惑提起とこれに同調したネットユーザーらの攻勢で、ソ氏は夫と娘を死に追いやった「魔女」と事実上烙印を押された。とある調査で、文化・社会分野の非好感のトップに選ばれた。与党の議員たちまでが呼応して、昨年秋の国政監査で事件の再捜査を要求した。ところがいざイ氏が警察に提出した根拠資料は、疑惑を提起した陳述だけだった。前科10犯以上の強力前科のあるソ氏の兄が助けただろうという主張と違って、兄は現場にいなかったし、前科の中に凶悪犯罪もなかった。

◆有名歌手の死を追跡することはできるが、根拠なしに妻を殺人に追い込むのは勝手が違う。映画「金光石」はドキュメンタリーの形式だが、専門家らの発言が「編集」されていたと警察は明らかにした。イ氏は、旅客船セウォル号惨事の時もダイビングベルの陰謀論を提起し、映画まで作った。彼らは理念や信念を広くまき散らすために、ファクトの神聖さを無視して「悪魔の編集」を通じて刺激的な火種を作る。社会の底に敷かれた「不信」がガソリンになることを期待する。そのようにつけた炎で誰かを犠牲にしたが、最終的にはブーメランのように自分たちが襲われた。


李基洪 sechepa@donga.com