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「シャイ保守」はない

Posted June. 09, 2018 08:42,   

Updated June. 09, 2018 08:42

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保守は潰れるだろう。大韓民国という鳥の翼の片方が折れている。刺激的な扇動のように聞こえるかもしれないが、実際、保守政党の没落が6・13地方選挙で現実になっている。最大野党自由韓国党の票畑である嶺南(ヨンナム)を除いては、広域団体長選挙で惨敗するとみられる。有権者の支持を取り付けなかった勢力が政治の舞台から退場することは、民主主義の歴史ではよくあることだ。もちろん保守政党が選挙で低迷しているからといって、韓国人の心の中に位置している保守的価値が壊滅することを意味するものではない。

しかし、世界的に有権者の心は世界と一緒に変わっており、政党もこれに適応しているが、韓国の保守政党はまだ過去の価値にとどまっている。有望な若手保守政治家の成長も見られない。有権者は保守政党に対する信頼を撤回し、彼らのもう過ぎ去ったメッセージにうんざりしている。南北共存と平和という歴史的モメンタムを積極的に活用し、異質の声を集めて協力的革新を生み出さなければならない時代の召命に否定的なシグナルだ。

保守政党は、選挙結果を見計らえる世論調査で支持を率直に明らかにできない現象、いわゆるシャイ保守(shy conservatives)の存在に希望をかけているようだ。朴槿恵(パク・グンヘ)前大統領の弾劾、二人の元大統領の拘束、洪準杓(ホン・ジュンピョ)韓国党代表の失言と奇行を恥じる保守政党の支持者が回答を渋るので、実際の選挙結果はこれとは異なるだろうという期待感だ。このような主張の根拠は、実際の投票で保守政党に投票した人に比べて、アンケートで保守政党に投票したと答える人の割合が低く現れるというものだ。面接員と直接対話する必要のない自動応答システム(ARS)の調査では、それでも韓国党の支持率が電話面接調査より比較的高いことを根拠に挙げたりもする。隠れた保守野党の支持票が存在するというのだ。

しかし、この主張は、複数の可能性の一つに過ぎない。それでも割合一貫的な発見は、ARS調査で、20代と30代、そして中道的イデオロギー性向を持つ人たちの韓国党支持が、電話面接調査の同じ集団よりもわずかに高いことだ。過去の地方選挙で20代と30代の投票率が低かった点を考慮すると、たとえシャイ保守が存在しても、実際の選挙結果を変えることはできない。すべての年齢層で投票率が一定に高くても、シャイ保守の存在が現在の与党と野党間の支持率の大幅な格差を覆すには力不足だ。投票行為についての研究では、保守政党を支持したり、電話面接調査でこれを隠す中道性向の有権者は、最初から投票に参加しない可能性が高いことを指摘する。今回の地方選挙でシャイ保守はない。

いずれにせよ、左右に飛ぶ鳥の片翼が不安定な状態を持続することは、大韓民国の未来に不幸なことだ。しかし、保守政党が予見される敗北原因を自分の間違いから求めずに世論調査のせいばかりにするなら、斬新なメッセージはないのに、政権与党の過ちが浮き彫りになることだけを待つなら、自分のアイデンティティーを再確立し、国民を心から説得することに無関心であれば、政治後続世代を育てることに怠慢であれば、我々は、保守政党から非常に少し残っている希望さえも取り上げなければならない。

保守の没落は、ろうそく政局や大統領弾劾を通じて短期間で発生したものではない。崩れていく民生と権力に対する怒りを無視し、不透明で、不公正で、不平等な国を作った過去の政権保守政党に対する国民の厳しい評価だ。昨日の反省も、今日のメッセージも、明日の夢もない政党を支持する有権者はいない。保守政党が立ち直りを模索するなら、少なくとも次の質問への明確な答えを持っていなければならない。大企業中心の経済成長は深刻化する不平等とどのように両立できるだろうか?恋愛も、結婚も、出産も諦めた青年たちが再び夢を見られる方策は何であるか?韓半島の非核化と平和共存を実現できる差別的代案を持っているか?この質問に保守政党が真正性をもって、具体的な答えを持っていなければ、地方選挙で保守はばらばらにつぶれて、生まれ変わらなければならない。そうしてこそ、小さな希望でも芽吹く。しかし、崩れてしまいそうな気がして怖い。保守は潰れなければならない。