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人口構造、ピラミッド型から「棺」型に

Posted June. 04, 2018 09:05,   

Updated June. 04, 2018 09:05

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「ひどい。ブラック・ユーモアならいざしらず…」

最近、NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」で、人口学者が2050年の日本の人口ピラミッド構造を「棺型」と呼ぶと言ったことで、インターネットのユーザーからはこのような反応が溢れた。

教科書で習った人口構造の形はピラミッド型、つりがね型、つぼ型、ひょうたん型などだが、棺型は初めて。「棺」と言っても、よく見る四角形ではなく、ヴァンパイア映画などに登場する洋式の棺、すなわち肩の部分まで広く、足に行くほど狭くなる六角棺の形だ。このピラミッドで最も多い人口の年齢帯は85歳付近だった。

人口ピラミッドは、その社会の未来像を赤裸々に物語る。最も深刻なのは、社会を支えなければならない働き手の不足だ。番組では、50年までに全体人口が2千万人減り、生産年齢人口(16~64歳)は頂点だった時に比べて3500万人消えると見通した。その空白を埋めるのは高齢者と外国人。すでに日本政府は15年から「1億総活躍社会」を主唱し、女性と高齢者の労働を促している。移民を認めない国策に反し、様々な形態で多くの外国人が働いてもいる。

21日に日本財政経済諮問会議(議長=安倍晋三首相)が出した40年までの未来推計も衝撃的だった。この時には、65歳以上の高齢者人口は4千万人近くになって頂点に達する。日本人の3人に1人が高齢者の時代となる。

日本政府は、12年の発表では25年までを人口推計の対象にした。当時、ベビーブーム世代である団塊の世代(1947~1949年生まれ)が75歳以上になる「2025年問題」が迫っていたためかもしれないが「見たいものだけ見れば済むのか」という批判を受けた。今年はその15年後、すなわち彼らの子ども世代に該当する第2ベビーブーム世代(1970~1974年生まれ)が65歳以上になる40年までに幅を広げた。

推計によると、40年に介護医療など社会保障費は現在より60%増え、介護の働き手も現在の823万人から1060万人を超えることになる。多くが年金が唯一の収入源である高齢者は、引き上げられる健康保険料、介護保険料の心配で、「食費を節約するしかない」と心配する。

高齢化による日本社会の憂いは随所で感じられる。「アベノミクス」のおかげで雇用が増えたと強調するが、実状は団塊の世代の引退にともなう空席を埋めるためのものが大半だ。このような雇用の多くは非正規職に代替されている。今後、最も多く必要な人材は、団塊の世代の面倒を見る介護人材だ。

 

フランスの人類学者、エマニュエル・トッドは最近、著書で「日本はすでに大国であることをあきらめた」と分析した。人口の減少を受け入れ、移民の受け入れにも消極的な国は、もはや国力を追求しない国という指摘だ。軍事安保専門家で知られた石破茂元自民党幹事長がインタビューで言った話も印象的だ。「日本の最大の安全保障問題は高齢化と人口減少だ。軍事大国になっても国民がいないなら意味があるのか。」

韓国の昨年の合計特殊出産率は1.05、日本は1.43。高齢化と関連して韓国は日本より出発は遅いが、速度はより早い。40年の高齢化率は日本と同じ30%台後半になると見られる。60年頃には韓国が日本を追い越すだろう。人類が一度も体験していない高齢社会。果たしてどんな世の中が繰り広げられるのか。NHKスペシャルのように我々を待つのは本当に棺だけなのだろうか。


徐永娥 sya@donga.com