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「チクレギ」

Posted May. 09, 2018 08:52,   

Updated May. 09, 2018 08:52

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とある地上波テレビで「言葉の力」という実験ドキュメンタリーを放送したことがある。炊き立てのご飯を二つのボトルに分けて入れて、各ボトルに「ありがとうございます」「イライラする!」というフレーズを書いて貼り付けた。実験の参加者たちに二つのボトルを渡した後、一ヶ月間「ありがとうございます」のご飯には褒め言葉を、「イライラする!」のご飯には否定的な言葉を聞かせるように指示した。

◆4週間後、すべてのボトルを回収したところ、一目でもその差がはっきり現れた。「ありがとうございます」のご飯には、ところどころ白いカビが生えて麹のにおいがしたのに対し、「イライラする!」のご飯は、真っ黒なカビに覆われたまま腐ってしまった。参加者たちは「米粒に耳がついているわけでもないのに…」と驚いた。これを応用した実験で、一部の学校では、児童生徒たちに前向きな言葉の力を気づかせるために、賞賛されるサツマイモとそうでないサツマイモの生育実験をしばしば利用している。

◆一つの言葉がたまって無生物や植物に変化をもたらすぐらいなら、ましてや人に及ぼす影響はどれぐらいだろうか。今日、私が思わず発した言葉が誰かに希望を与えることも、挫折を抱かせることもできる。2016年、仁川(インチョン)のとある保育園では、保育士たちが二歳の子供たちを「チクレギ」(かすの方言)と呼んだ。「早く食べな、チクレギたちよ」のような発言で子供を感情的に虐待した容疑で起訴された保育士4人について、最近最高裁が無罪を判決した原審判決を確定した。言葉の意味を理解できない乳幼児なので、精神的健康の有害如何を確認することができず、したがって虐待ではないという判断である。

◆法律的には無罪といっても、道徳的、倫理的にも果たしてそうだろうか。若い芽に前向きな言葉を植えるどころか、面前で言葉の暴力を振るった行為は、心の畑に毒の入った種をまいたことに喩えることができる。言葉は世界を変える力も、驚異的な破壊力も持っている。ましてや保育士たちがその鋭い言葉の剣を振り回すのに、無関心で鈍感な社会。現実でもインターネット上でも暴言が洪水をなす事態。このようなものが積み重なって、言葉の堕落をあおるのではないだろうか。