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漢字が読めなくなった東アジア

Posted May. 08, 2018 08:40,   

Updated May. 08, 2018 08:40

한국어

大きな雁と白鳥に比喩して大きな志を持つ鴻鵠之志は、韓国でも広く使われる四字熟語だ。秦を崩壊させた陳勝は、出身が卑しいが、名句をよく口にした人だったようだ。「王侯や将軍・宰相となるのは家柄や血統によらず (王侯將相寧有種乎)」、「燕雀がどうして鴻鵠の意思を知るだろうか(燕雀安知鴻鵠之志)」のように、身分の自意識が強く感じられる彼の言葉が、司馬遷の史記を通じて今日まで伝わっている。

◆中国最高の名門、北京大学の林建華総長が4日、120周年開校記念式で中学校の教科書にも出てくる鴻鵠を鴻浩と読み間違えて批判を受けている。氏は、「北京大学の学生は、自ら頑張って 鴻鵠之志を立てなければならない」と言うべきところで、しばらくためらった後、孟子の浩然の気を思い出したのか、鴻浩之志と言ってしまった。氏はその翌日、「中学生の頃、文化大革命を経験しながら、通常の教育を受けられずミスをした」と謝罪した。

◆麻生太郎日本副首相は、首相時代に「漢字の読めない首相」と嘲笑された。彼は2008年、母校の学習院大学を訪れて講演した時、「日中間のあいだでこれだけ頻繁に首脳が往来したことがない」という部分の頻繁を、煩雜と読み間違えた。日本語の漢字は訓読と音読を間違いやすく、ミスしやすいが、この場合は、頻という漢字を読めなかったことが明らかだったようだ。

◆韓国は漢字語もハングルだけを使う文化になってしまって、意味がわからないことはあっても、漢字を読み間違えるミスは珍しい。ただし、教授出身の曺國(チョ・グク)大統領民情首席秘書官は先月、検察と警察の捜査権関連の発表をする際に求同存異というべきところを、求存同異に間違って口にしたのに、それに気づかずそのまま書き取ったメディアが一つや二つではない。彼はかつての日本式B級漢字と疑われる肉斬骨斷という言葉も使った。目的語が動詞の後に続く漢字の文法を知っていれば、このようなでたらめ漢字は使ってはならない。


ソン・ピョンイン論説委員 pisong@donga.com