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感性と強靭さを兼ね備えたポップの皇帝

Posted May. 04, 2018 09:13,   

Updated May. 04, 2018 09:13

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署名は、他の文字と違って何千回も書くので、書いた人の個性が最もよく表れている。他人が真似しようとしても容易ではなく、文書や書画の鑑定においても署名が正しいかを探るのが基本だ。米国の伝説的ポップスターであるマイケル・ジャクソンほど、個性が強くて力強く、美しい署名もなかなか目にできない。署名だけを見ても、マイケル・ジャクソンは非凡な人物であることに間違いない。彼はかなり大きくて厚い紙とペンを持ち歩きながら、作品を作るように署名をした。

筆跡学者たちは、水平方向の行の文字で右上向きと縦の行の文字で左に傾くのは楽観的な気質を、その逆の場合は、うつ病の傾向を示すということに、ほとんど意見が一致している。マイケル・ジャクソンの最初の文字である「M」の右上の頂点は、左上の頂点よりもはるかに高い位置にあり、ほぼ90度で直接上に向かう。超肯定のマインドの塊であることがわかる。

マイケル・ジャクソンは、なかなか共存できない複数の性向が絶妙に調和を成している。「I」と「J」の曲線が大きな輪を描くのを見れば、エネルギーが充満していることがわかる。一方、小さくてバランスのとれた文字を見れば、論理力や合理性も備えた。曲線からなる筆画は芸術的感性を示しているが、逆に「M」では直線と角があって、強靭さと決断力までを兼ね備えている。

アルファベット文字のうち、一番上と下が特に発達した。一番上の区域は理想、野望、精神的特性であり、下の区域は本能、秘密、セックス、物質的関心などを表わす。日常生活の様子、合理性、社会的自信などを示す中央の区域も平均的人間以上に発達したが、他の区域はこれを圧倒する。日常の生活よりは野望、理想を追求した一方、本能やセックス、物質的関心に偏っていることを示している。このような人生だったので、内面の葛藤は激しかっただろう。文字が互いに激しく侵していることがその証だ。


李沅柱 takeoff@donga.com