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金正恩氏の電撃訪問、何を意味するのか

Posted April. 06, 2018 09:13,   

Updated April. 06, 2018 09:45

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3月26日、北京の駅や主要道路、外国からの客人が宿泊する釣魚台にものものしい警備が始まった。26日午後から夜までの間に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が北京に来るかもしれないという情報が中国のネットユーザーの間に広まった。確かに驚くべきことだった。

3月28日、正恩氏が北京を離れた後、中国官営メディアの新華社通信は、速やかに正恩氏の訪中の知らせを発表した。中朝両国の報道を比較すると明確に違う点がある。双方が今回の訪問を異なって定義し、期待したことが分かる。

中国側は、習近平国家主席が再選したことに対して正恩氏が、「当然中国に来て」直接祝わなければならないと述べ、最近の韓半島情勢の変化について「義理上、道義上」当然中国に来て「直接伝えなければならない」と述べたと報じた。しかし、北朝鮮側の報道にはこのような表現がない。北朝鮮側は、習氏が釣魚台の養源斎で、金正恩夫妻を「家庭料理の昼食」でもてなし、「多くの問題に対して胸襟を開いて考えと意見を交わした」と報じた。双方が意見の相違があることを隠さない。最も重要なことは、中国側の報道は正恩氏の発言を引用し、北朝鮮指導者が習氏の前で非核化の意思を明らかにしたと伝えた。しかし北朝鮮の報道は、非核化の問題は一言も出さなかった。北朝鮮の報道は、正恩氏が習氏に都合のいい時期に正式に訪朝するよう招請し、習氏が受け入れたと伝えた。中国側の報道にはこのような表現がない。正恩氏の今回の北京行きがもたらした中朝関係の改善は、まだ「限界がある」ことを物語る。

中国の(正恩氏に対する)もてなしは、十分に盛大で丁重だった。正恩氏の面子を十分に立てた。習氏は正恩氏に、中国が韓半島非核化の立場を堅持することを再び明らかにした。中朝関係の改善の意向を見せたが、中国は北朝鮮核政策の「マジノ線」は変わらないという明確な態度を示したのだ。

中国は、正恩氏の訪中を通じて、北朝鮮が韓国であれ米国であれ首脳会談をする時、中朝首脳会談が「先」ということを世界に知らしめた。中国は、北朝鮮の核と韓半島問題における役割で排除されないことを明らかにした。中国が依然として北朝鮮核問題の外交的・政治的解決に重要な役割をしているということも示した。正恩氏が自ら北京に来たのは、北朝鮮が中国に対してどんな不満があろうとも、中国の理解と支持、助けを失いたくないということを意味する。正恩氏は、南北首脳会談の前に北京を訪問することで、中国を「なだめ」、また、南北、米朝接触の過程で出す自身の交渉チップを強化した。

正恩氏が北朝鮮最高指導者に就任して初の海外訪問が初の中国訪問で、また習氏との初の会談だったことは取り上げるに値する。正恩氏は平昌(ピョンチャン)五輪外交後、「情勢づくり」の能力があることを再び示した。また正恩氏は、習氏に父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記の非核化の遺言を取り上げた。どれだけ誠意があるかは分からないが、少なくとも正恩氏が初めて中国指導者に金氏一家3代指導者の非核化の意思を明らかにした。正恩氏執権後「核保有を明記した憲法」など絶対核を放棄しないという主張を堅持してきたことから変化が生じている。

 

正恩氏は「話題づくりの名手」だ。北京訪問後、正恩氏は南北首脳会談前にモスクワを訪問したいだろう。中国とロシアという冷戦時代の同盟の力を借りて、韓国と米国に対する自身の値打ちを上げようとするだろう。問題はロシアが同意するかどうかだ。正恩氏は今月27日、軍事境界線を越えて板門店(パンムンジョム)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談する。5月末にはトランプ米大統領と首脳会談をする可能性がある。しかし、一連の首脳会談を通じて本当に北朝鮮が極限圧力の困難から「逆転」できるかどうかはまだ分からない。北朝鮮が未来と突破口を得たいなら、正恩氏の外交能力に頼らず、核を放棄するという決心に頼って和解の政治的決断を下さなければならない。