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宇宙ゴミ(スペース・デブリ)

Posted April. 03, 2018 08:14,   

Updated April. 03, 2018 08:14

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2013年に公開された映画「ゼロ・グラビティ(Gravity=重力)」は、人工衛星の残骸とスペースシャトルがぶつかって宇宙空間に放り出された乗組員たちが経験する災害を描いた。捨てられた人工衛星とロケット、その残骸などから出てきた宇宙ゴミは、弾丸よりも速いスピードで地球の周りを回っている。直径1センチ以上のものは50万個以上、直径10センチ以上のものは1万9000個に上るという。

◆宇宙ゴミが地球に落ちるとき、その墜落地点を正確に予測することは容易でない。宇宙から落ちてくる物体の動きは、重力だけでなく、大気の抵抗力からも大きな影響を受ける。大気密度は空気の流れに沿って刻々と変わる。これをリアルタイムで予測することは事実上不可能である。高い建物の屋上から紙の束を投げたときに落ちる場所がまちまちであることと同じである。

◆中国籍の宇宙ゴミ、天宮1号が韓国時間の2日午前9時16分、南太平洋のチリ沖に墜落した。当初は南大西洋に墜落すると推定された。天宮1号は大気圏でほとんど焼失した。1957年に人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられた後、最近まで7900以上の衛星が打ち上げられ、地球に落ちた宇宙破片の質量は約5400トンに上る。大気圏に再進入する際に生じる摩擦熱で溶けなかったステンレス鋼やチタンなどが地表面についたが、幸い人命被害はなかった。

◆宇宙空間のほうがなおさら問題である。地球のように宇宙もゴミで疲弊している。宇宙破片は高速のため、直径10センチだけのものでも人工衛星を破壊することができる。壊れた衛星が衝突して、より多くの破片が生じ、連続衝突が続いて地球の外に何も打ち上げられなくなる状況を「ケスラーシンドローム(Kessler Syndrome)」という。映画ゼロ・グラビティのような惨事はまだ発生していないが、宇宙ゴミを放置すれば、近いうちに見舞われる現実である。


吉鎭均 leon@donga.com