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鄭夢九会長の逆転発想の勝負

Posted April. 02, 2018 09:25,   

Updated April. 02, 2018 09:25

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現代(ヒョンデ)自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長は、経営が重大な状況を迎えるたびに、誰も予期しない勝負を投げて、危機を打開してきた。1998年、内外の反対を押し切って、法廷管理中だった起亜(キア)自動車を買収して、グローバルメジャーに跳躍する足掛かりを作り、その翌年は米国で常識を超える「0年、10万マイル保証制度」を導入して、現代車の品質についての認識を一気に変えたことなどが代表的例と言える。

現代自グループが先月28日に出した支配構造の再編案でも、「勝負師鄭夢九」の姿が表れている。現代モービス→現代自動車→起亜自動車→現代モービスへとつながる循環出資の輪を断ち切るという内容は、市場が予想していたものである。金尙祚(キム・サンジョ)公正取引委員長が、「循環出資が財閥グループトップ一家の支配権を維持し、承継するために重要な役割を果たしているグループは、現代自グループだけだ」と名指して圧迫してきたからである。市場で驚いたのは、ほとんどの専門家が共通して予想してきた持株会社体制の代わりに、事業支配会社体制を選んだことである。

鄭会長が譲渡税を1兆ウォン以上節約ができる持株会社のカードを捨てた決定的な理由は2つと見える。まず、持株会社は、金融系列会社を率いることができないという規制のため、現代キャピタルを売却しなければならないが、現代キャピタルは、現代・起亜自動車の販売においてなくてはならない割賦金融事業を担当している。第二に、現代モービスが持株会社に変われば、子会社である現代自動車と孫会社である起亜自動車は、投資と買収において深刻な制約を受けることになる。このようになれば、M&Aを通じて激しい地殻変動が起きている世界の自動車市場で、現代・起亜自動車の居場所がなくなる。

持株会社は、支配構造の唯一の正解でもなく、経営成果を担保する制度ではなおさらない。昨年10月に持株会社体制に転換したロッテグループは、ロッテカードなど8つの金融系列会社の処分問題で頭を悩ませている。ロッテカードを処分すれば、流通事業に少なからぬ打撃を受けざるを得ない。日本には、中間金融持株会社制度があって、ソニーのようなメーカーが銀行や保険会社などの金融系列会社を「持株会社の傘下」に率いているが、韓国の持株会社制度は、このような柔軟性がない。企業の競争力を重視する観点から見ると、鄭会長が持ち株会社体制を避けたことは、やむなきことであり、望ましい選択である。

現代・起亜自動車の今回の支配構造の再編においてもう一つ注目すべきことは、鄭会長の息子である鄭義宣(チョン・イソン)副会長が支配構造の頂点である現代モービスの大株主として初めて名を連ねたことである。これで鄭副会長は、グループ内での活動スペースが大きく広がった。これまで鄭副会長の慎重な歩みはやむなき側面があったが、市場では「承継準備が最もできていないグループ」という否定的な認識を生産してきた。鄭副会長の役割拡大は、市場の心配を軽減すると同時に、ビジネス的側面でも重要な意味を持つ。

最近、現代自と起亜自の品質については、「ベンツやレクサスに比べても遜色がない」という評価が多い。しかし、「乗り心地に比べて降り心地(車から降りるときに回りから投げられるうらやましい視線についての感じ)が落ちる」というのが、まだ概ねの評価だ。乗用車を買うとき、ブランド評判やデザインなど、他人の視線を意識する傾向は若い層ほど強い。品質についての鄭会長のこだわりに、鄭副会長の若い感覚が加わってこそ、乗り心地より降り心地を重視する消費者の時流に、現代・起亜自動車が乗ることができる。