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平昌の第二のドラマ、パラリンピック

Posted March. 10, 2018 07:46,   

Updated March. 10, 2018 07:46

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「クローン」が登場した瞬間、障害者と健常者との区分が消えた。楽しいお祭りだけが残った。2000年の交通事故で車椅子に座ったが、「盛り上がり」だけは失っていない姜元來(カン・ウォンレ)、彼との変わらない友情を誇示して舞台を掌握した具俊曄(ク・ジュンヨプ)のパフォーマンスは、それ自体が平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピック開会式のコンセプトである「共存」の表現だった。

◆パラリンピック(Paralympic)という名前自体が共存を意味する。国際パラリンピック委員会(IPC)は、「パラリンピックは『並んで(para)』という意味のギリシャ語の前置詞とオリンピックの合成語だ」と説明する。オリンピックと並んで開催される大会、障害者と健常者が一緒に進む大会という意味だ。1988年のソウル大会から、今のようにオリンピックの開催地でパラリンピックも開催される。最初は「下半身麻痺(Paraplegic)」のオリンピックという意味だったが、下半身麻痺だけでなく、切断障害者や視覚障害者までが参加することになり、今では「並んで進む(Parallel)」オリンピックとなった。

◆視覚障害者スキーは、障害者と健常者の共存と同行を端的に示す種目である。健常者のガイドランナーが先を進みながら、ヘッドセットを使用して方向を知らると、先の見えない選手は、その信号に従って体を動かす。アルパインであれ、クロスカントリーであれ、ガイドランナーとの呼吸が成績を左右する。選手が入賞すると、ガイドランナーも一緒にメダルを手にするのもこのためである。目で見る代わりに、聴覚に頼って射撃を行う視覚障害バイアスロンにもガイドランナーがある。女子アルパインに挑戦する韓国代表のヤン・ジェリム選手は、スキー国歌代表常備軍出身のコウン・ソリ・ガイドランナーと4年間呼吸を合わせている。

◆ガイドランナーだけが仲間ではない。すべての選手には応援という仲間がいる。「標準的人間や普通の人間など存在しない。私たちは共通として創意的能力がある。人生がどんなに大変でも、すべての人には、特別な成果を成し遂げるだけの力がある」。筋萎縮性側索硬化症にも拘わらず、世界的物理学者となったスティーブン・ホーキング博士が2012年、ロンドンパラリンピックの開会式で行った言葉である。10日間平昌の「第二のドラマ」を書いていく、誰よりも美しい人たちに、胸のあの深いところから湧き出る応援を送りたい。

朱性元(チュ・ソンウォン)論説委員


朱性元 swon@donga.com