Go to contents

秘密のメッセンジャー「テレグラム」

Posted March. 07, 2018 08:09,   

Updated March. 07, 2018 08:09

한국어

2014年9月、国内ネットユーザーらの間で「サイバー亡命事態」が起きた。「サイバー名誉毀損専門捜査チーム」を新設した検察が、旅客船セウォル号の集会と関連して、チョン・ジンウ元労働党副代表のカカオトークグループ会話の内容を捜索した事実が知られた後である。ドイツにサーバーがあるので、韓国の司直当局が簡単にアクセスできないうえ、セキュリティも優れたメッセンジャーであるテレグラムに、1ヵ月あまりで100万人以上の韓国人が加入した。

◆テレグラムの「秘密チャット機能」を利用して、性的暴行の被害者であるキム・ジウン政務秘書と対話してきた安熙正(アン・ヒジョン)前忠南(チュンナム)知事も、この時を前後にして加入した可能性がある。秘密会話の機能を使えば、本人が送ったメッセージを1秒 、1週間などの時間を決めて、相手のチャットルームから自動削除が可能である。秘密会話中に画面をキャプチャーすると、チャットルームに「『』さんが画面をキャプチャーしました」というフレーズも浮かぶ。万が一、検察がサーバーを押収捜索しても、会話の内容を垣間見ることができないようにする技術も敷かれている。政治家や犯罪組織がテレグラムを愛用してきた理由である。

◆テレグラムは、ロシア最大のソーシャルネットワークサービス(SNS)「フコンタクテ」を設立した開発者パベルとニコライ・デュロフ兄弟がロシア当局の検閲に反発して、2013年、ドイツで作った非営利モバイルメッセンジャーである。テレグラム側は定期的に数億ウォンの賞金を懸けたハッキングコンテストを実施しているが、まだハッキングされたことがない。イスラム神政国家であるイランでは、全人口の半分である4000万人がテレグラムを使うほどだ。イランは、ツイッターやフェイスブックなどについてテレグラムを許可したが、1月に反政府デモ隊のツールとして活用されると、急きょ遮断した。

◆安前知事がテレグラムで被害者と会話を交わしたことも、秘密が保障されることを期待していたからだろう。実際の会話のほとんどは、秘密会話の自動削除機能で消えたという。しかし、その一部は、一般のチャットルームで行われ、この記録が残っているので、結局世間に公開された。世界で最も強力な秘密メッセンジャーであるテレグラムに残った会話が、性犯罪の間接証拠となった。最新技術を動員してセキュリティを維持しようとしても、秘密はいつかばれるものである。


鄭世鎭 mint4a@donga.com