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所有より経験

Posted March. 06, 2018 07:41,   

Updated March. 06, 2018 07:41

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ベビーブーム世代(1955~1963年生まれ)は、通常、前だけを見て走った。「一人だけ産んでも三千里は超満員」というスローガンの中で、すし詰め教室で激しく競争しなければならなかった。彼らにとって成功の象徴は、マンションと「マイカー(My car)」だった。50代や60代の中には、お金をせっせと貯めてローンを組んで小型マンションを購入した時を人生最高の瞬間に挙げる人が少なくない。そんなベビーブーマーには、若い世代の姿がやや気に入らないかもしれない。海外旅行に行くとか、突然高級外車をレンタルしたりするのだから、親の世代からみればかえって焦りが出る。

◆物足りなさを感じたことのない若い世代は、何かを所有することに命をかけない。その代わり、経験を買うために財布のひもを緩める。最近、米ポップ歌手ジョン・レジェンドの来韓公演のチケットが、前売り開始から10分後に売り切れとなった。世界的なトップスターとはいえ、韓国内でのアルバムはもちろん、コンテンツ販売量が芳しくなかったため、業界では驚きを禁じえなかった。予約買いの58%は20代以下である。とりあえずコンサートに行って、現場でアルバムを買うことも多い。彼らにとって音楽は、CDを買って聴くのではなく、コンサートやクラブで楽しむ経験になった。

◆未来学者であるジェレミー・リフキンは、いち早く氏の著書「所有の終末」で財産を所有するより、好きなときにアクセスして必要なだけ使用する「接続の時代」を予見した。所有とは、すべてのものが目まぐるしく変わる風土に適応するには遅すぎるモデルだという。実際に所有しなくても享受できる道があまりにも多い。ネットフリックスでは、月に9500ウォンさえ払えば、無制限に映画を見ることができ、韓国を除く世界では、カーシェアリング市場が爆発的に成長している。むしろ所有が重荷になる時代となっている。

◆幸せという観点から見ても、所有よりも経験のほうが賢明な消費だ。米コーネル大学のトーマス・ギロビッチ教授の研究結果によると、人々は商品を購入する時よりも、何かを体験をしたときにより幸せである。所有は排他的であるのに対し、経験は共有される属性のためである。公演観覧や旅行などは一緒にやった人たちと記憶を分けることができるので、時間が経つにつれ、価値ある資産として残る。若い世代の「経験消費」は、不確実性の時代に、幸せを最大化しようとする進化した戦略である。

ホン・スヨン論説委員 gaea@donga.com