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江陵コーヒーオリンピック

Posted February. 13, 2018 08:56,   

Updated February. 13, 2018 09:58

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1980年代、江原道江陵市(カンウォン・カンルンシ)江陵港の北側に位置している安木(アンモク)ビーチ沿いには、5、6台のコーヒー自動販売機が置かれていた。若い恋人たちは自動販売機からコーヒーを買って、デートを楽しんだ。若者たちが集まったことで、1990年代は自動販売機が数十台に増えた。自動販売機ごとに味が少しずつ違ったので、自分が希望する味を求めて立ち並ぶ人までできた。安木ビーチは、その時から自動販売機コーヒー通りと呼ばれ始めた。

◆在日出身の第1世代のバリスタ朴利秋(パク・イチュ)氏は、1988年、ソウル大学路(テハクロ)にコーヒーハウス「ボヘミアン」をオープンさせた。喫茶店でインスタントコーヒーだけを飲んでいた頃、朴氏の登場は、ロースタリーコーヒー文化を拡散させる出発点となった。以後コーヒーマニアたちの間で、彼は「コーヒー名匠」で通じた。朴氏は2000年代に入って、江陵にコーヒーハウスを移した。多くのバリスタたちが彼にしたがって、江陵に巣を作り、安木ビーチには自動販売機の代わりにきちんとしたコーヒーショップができた。今では、500メートルのビーチ通りに30数店のカフェが盛んに営業している。

◆コーヒーに関する限り、江陵にはないものがない。朴利秋氏のボヘミアンコーヒー工場、スターバックスに対抗するという野心を持ったテラ・ローザコーヒー工場兼本店コーヒーショップは江陵コーヒーのプライドとして挙げられる。テラ・ローザの本店では、一日に1.5トンの豆を炒る。江陵のあちこちにはロースタリーカフェがあり、都心の郊外には、コーヒー博物館やコーヒー農園もある。農場では、韓国初の商業用コーヒーの木を栽培する。豆腐で有名な草堂(チョダン)村では、1960年代に精米所の建物を改造してカフェとして活用するところもある。地域特産品で豆の形のコーヒーパンを生産する。

◆先週、江陵アートセンターを訪れた北朝鮮の玄松月(ヒョン・ソンウォル)三池淵(サムジヨン)管弦楽団長は、「江陵のコーヒーが有名だと聞いている。江陵に来てコーヒーを飲みたかった」としてコーヒーを注文したという。安木ビーチのコーヒー通りは、平昌(ピョンチャン)冬季五輪氷上競技と一緒に、コーヒーを楽しもうとする人々で込み合う。ここでは、オリンピック閉幕日まで、世界の冬コーヒー祭りも開かれる。世界20カ国以上のコーヒーを味わうことができる機会である。オリンピックを迎えて世間の話題に浮上した江陵コーヒー。だからコーヒーマニアらは、今回のオリンピックを「江陵コーヒーオリンピック」と呼ぶ。



李光杓 kplee@donga.com