Go to contents

平昌の使い捨てカイロ

Posted February. 08, 2018 09:35,   

Updated February. 08, 2018 09:35

한국어

今は主にキャンプ愛好家たちが使うが、かつては家ごとに一や二つぐらいはあった湯たんぽ。小さなかんやゴム袋にお湯を入れて抱けば、真冬でも数時間は「おばあちゃん」の懐のように暖かく過ごすことができた。先日、イングランド・プロサッカーのテレビ中継画面に、ベンチに座ったとあるプレーヤーが湯たんぽを顔に当てて体を温める場面が映ったこともある。

◆屋外では、湯たんぽの代わりにポケットストーブを使った。燃料を燃やして熱を出すライター型のストーブは、まもなく使い捨てカイロに置き換えられた。かつては金属製のボタンを押して熱を出す液体型が多かったが、今は粉型使い捨てカイロが主流となっている。安くて簡単なうえ、発熱持続効果もよく、真冬の山や釣り場はもとより、兵舎でも欠かせない品となっている。使い道も多様である。足や背中などにはったり、ベストに入れて着ることもある。使い捨てカイロは、鉄粉が酸化する時に熱が発生する原理を応用したものである。一度酸化した材料は、再び使うことができないので、使い捨てということが欠点といえば欠点である。

◆米選手団が平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式で着る先端発熱ジャケットにも注目が集まっている。バッテリーを利用した発熱衣類が初めて披露されるわけではないが、布の中に細い電線を入れた既存の製品とは違い、裏地に導電性インクをプリントして電流を流す方式なので、軽くて活動性が良い。ただし洗濯後は性能が低下することがあると言われているが、最近、韓国研究チームが洗濯をしても性能が落ちない繊維形態の発熱体を開発して、商用化前の段階に入ったというから、このような問題もまもなく克服されると思われる。

◆先端衣類が開発されても、まだ値段はばかにならない。結局「コストパフォーマンス」においては使い捨てカイロに匹敵するだけのものはないように見える。寒さが和らいでも最低気温が零下5度と予想される平昌五輪の開幕式では、各国首脳らもコートや膝毛布、そして使い捨てカイロで寒さに耐えなければならない。オリンピックとパラリンピック期間中にどのくらいの使い捨てカイロを使用するか分からないが、可能な限り多く売れて欲しい。それだけ多くの観衆が現場を訪れて、選手たちを応援するという意味であるからだ。平昌オリンピックが韓半島の緊張を溶かすカイロになればと思う。


朱性元 swon@donga.com