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「誰も報告しなかった」

Posted January. 27, 2018 08:51,   

Updated January. 27, 2018 09:27

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トランプ米大統領は、1ページの書面の報告書すらほとんど読まないと話題になった。しかし、トランプ氏は対面報告では激しい討論を拒まないという。米中央情報局(CIA)のポムペオ長官は最近、「ほぼ毎日ホワイトハウスに行って大統領に対面報告する」と明らかにした。報告時間は30から40分程で、夜通し懸案をめぐって激しい論争を行うこともある。

◆朴槿恵(パク・クンへ)前大統領の弁護を務めた柳栄夏(ユ・ヨンハ)弁護士が最近あるメディアとのインタビューで、「朴氏は国家情報院、警察、民政首席などから崔順実(チェ・スンシル)氏に関する報告を受けたことが一度もなかった。なぜ誰も崔氏について報告しなかったのか残念だ」と話した。柳氏の話をそのまま信じることはできないが、もし事実なら、大統領の目と口にならなければならない機関と参謀が大統領の目と耳を防いだことになる。

◆しかし、その責任を下の者に転嫁する前に、朴氏自らそのような情報遮断の状況を招いたのではないだろうか。朴氏は対面報告で自分が聞きたくない話が出ると苛立ち腹を立てたと言う人が多い。劉震竜(ユ・ジンリョン)元文化体育部長官は、「セウォル号惨事後、朴大統領に『政府の組織改編は国務委員、反対勢力の意見を聞かなければならない』と言うと、「私が大韓民国のすべての人の話を聞かなければならないか」と腹を立てた」と証言したことがある。この時、睨みつけられもしただろう。鄭潤会(チョン・ユンフェ)氏の動向と国政介入疑惑をまとめた公職紀綱秘書官室の監察報告書を受け入れたなら、現在のような監獄暮らしには至らなかったかもしれない。

◆朴氏は対面報告ではなく書面報告にこだわった。セウォル号惨事の時も書面や電話報告だけ受けた。そのため現場の深刻な状況を実感できなかった。大統領府を「九重宮闕」という。何重もの人のカーテンによって報告がちゃんとなされないという意味が込められている。大統領府が「九重宮闕」という汚名から脱するには、最高権力者がまず耳を開かなければならない。

李光杓(イ・グァンピョ)論説委員