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酸素缶

Posted January. 20, 2018 08:15,   

Updated January. 20, 2018 08:42

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空気も一種の嗜好品となったのだろうか。英国の清浄空気販売会社「Aethaer」が出した商品のリストを見ると、ウェールズ、ヨークシャー、ドーセットのような原産地(?)が堂々と表示されている。果たしてどのような差別化の要因があるのか気になる。価格は1ボトル(580ミリリットル)あたり80ポンド(約11万8600ウォン)で、すべて同じである。

◆この会社が「エアファーミング(air farming)」と名前付けた大気捕集方法は単純である。まず、高い山と深い谷などを訪れ、昆虫採集網のような器具で夜明けの空気を集める。次に普通の密閉容器のように見えるガラス瓶にその空気を入れれば終わり。完成品は、主に中国に輸出する。昨年、韓国でも、智異山(チリサン)の清浄空気を缶に詰める工場が完成された。缶一つで1万5000ウォン。海抜800メートルの出入り統制区域の新鮮な空気をそのまま入れたというのが会社側の説明である。

◆今年に入って、中国発の微細粒子状物質や黄砂の襲撃が続き、大気環境予報をチェックすることが韓国人の日常となっている。目もひりひり、首もひりひり、粒子状物質のきつい成分が私たちの体内に染み込むのが体感できるほどだ。大気汚染の深刻さを感じるようになったことで、新鮮な空気をお金を払って買うことも珍しくない風景になった。粒子状物質が大手を振り、空気缶に加えて携帯用酸素缶が急速に普及して、人気を集めている。オンラインマーケットによっては酸素缶の売上が90〜166%上昇したという。ノースクと呼ばれる鼻のマスクから高価な空気清浄機の売上も急増した

◆「生活の中で最も大切なものは無料だ」。デザイナーのガブリエル・ココ・シャネルが残した言葉である。愛や友情、家族などが、当然、その大切なものに含まれるが、地球上のすべての生命体と一緒に存分に享受した空気も、同様にただで受け取った贈り物だった。自然から無償で受けた空気をお金を出して買って吸うのが日常茶飯事になるその日。澄んだ空気が誰でも享受できない贅沢品になるその時。人類は環境の逆襲に、遅れて悟ることになるかもしれない。生活の中で欠かせないものに値札がなかった理由は、ほかならぬ価格を付けることが難しいほど貴重な価値を持っているからだということを…。

高美錫(コ・ミソク)論説委員



コ・ミソク論説委員 mskoh119@donga.com