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高麗河回タルの53年ぶりの帰郷

Posted January. 09, 2018 09:12,   

Updated January. 09, 2018 09:35

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ソンビの故郷、慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)では毎年秋に安東国際タルチュムフェスティバルが開かれる。1997年に始まったこのフェスティバルは、成功的な地域祭となっている。2017年には国内外から120万人が訪れた。フェスティバルで最高の人気者は断然、河回(ハフェ)タルチュムである。「俺は士大夫の子孫だぞ/私は八大夫の子孫である/うちのじいさんは門下侍中を務めたぞ/うちのじいさんは門上侍大であるが/俺は四書三經を全部読んだもの/私は八書六經をすべて読んだけど/え、八書六經?八書はどこにあって、六經ってなんのこと?/私も知っている六経をまだ知らないのかい?」両班社会への風刺に人々は腹を抱えて笑いながら気晴らしをする。

◆河回別神クッ仮面劇は、安東河回村で高麗時代から行われてきた。高麗時代に作られ、現在までに伝わる河回タル(仮面という意)は11点。両班、ソンビ、婆、チョレンイ、白丁、カクシ・ブネなどの顔を形象化したものである。河回タルは、特に表情が圧巻である。いけ図々しくもとぼけたヤンバンタル、生意気で頑固なソンビタル、密かに妖艶なブネタル…。キャラクター一つ一つにもしゃれと滑稽、ロマンと風刺がぷんぷんと漂っている。

◆河回村の住民は昔から洞舍という建物を建ててタルを保管してきた。ところが1960年代初め、 洞舍で火事が起きた。河回タルは無事だったが、保管の問題が指摘された。ついに1964年、ソウル国立中央博物館に保管場所を移した。河回村の人々はタルを安東に持って来ようと、何度も請願したが、受け入れられなかった。保管施設を確保しなかったためである。そんな中、2016年に安東で河回タルの特別展が開かれた。これをきっかけに、安東市民の移管要請が強まったし、安東市も乗り出して、安東市立民俗博物館に木材文化財専用収蔵庫を用意した。すると、国立中央博物館が河回タルの移管要請を受け入れた。

◆昨年12月27日、国宝121号の河回タル11点と屏山(ビョンサン)タル2点などがソウル国立中央博物館を離れて、無振動特殊車両に載って安東市立民俗博物館に到着した。53年ぶりの帰郷に安東市民は歓声を上げた。博物館は、いくつかの準備を経て、7月初めから河回タルを公開する計画だ。今年秋のタルチュムフェスティバルは、本物の河回タルを見ようとする人たちで、さらににぎわうような気がする。

李光杓(イ・グァンピョ)論説委員