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「きよしこの夜」が200周年

Posted December. 23, 2017 09:40,   

Updated December. 23, 2017 09:47

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クリスマスを控えたこの頃、オーストリアの音楽都市ザルツブルグは、「きよしこの夜」が作られてから200年になる来年の行事広報ですでに多忙だそうだ。この歌は、1818年にザルツブルクから約20キロ離れたオベルンドルフと呼ばれる小さな町の聖ニコラウス聖堂で初めて歌われた。聖堂の神父ヨゼフ・モールが、クリスマスになると感じていた感情を込めて歌詞を書き、聖堂のオルガン伴奏を担当した小学校の音楽先生フランツ・グルーバーが曲を作った。

◆イエスは、エルサレムの近くのベツレヘムという小さな町で生まれたという。ドナルド・トランプ米大統領がエルサレムはイスラエルの首都であることを宣言した後、パレスチナを中心に激しい反発が起こった。国連総会は21日、エルサレムの地位にいかなる決定も拒否する決議案を、圧倒的多数で可決した。エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のすべての聖地である特異な都市だ。宗教の聖地が宗教間の不仲の最大原因である事実は、宗教の理想に反する特異な逆説といえる。

◆今年は宗教改革500周年だった。マルティン・ルターの宗教改革は、聖の概念をなくした革命だった。これ以上の聖人もなく、聖地もない。逆に、すべてが聖人であり、すべての場所が聖地といえる。万人が祭司長であり、信者が集まればどこでも教会である。このような思想が近代啓蒙主義を生み、現代民主主義を生んだ。特定の場所を聖地に区別して執着するのは、プロテスタント的ではなく、究極的にはキリスト教的でもない。天国でルターに聞いてみても、エルサレムを無決定状態に置いた国連総会の決議が正しいというだろう。

◆「きよしこの夜」は、小さな町の小さな聖堂に似合いそうな素朴な曲である。グルーバーが手で直接書いた楽譜を見ると、ギターの伴奏に「ソプラノとアルトのデュエット」で歌うようになっている。初公演の時は、モール神父がギターを弾きながらソプラノパートを、グルーバー先生がアルトパートを歌ったという。雪に覆われた町で真夜中に響き渡ったその歌は、どれほど美しかっだろうか。そんな素朴な平和を回復することが、クリスマスの精神になればと思う。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員