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「病気の子犬」

Posted December. 01, 2017 09:20,   

Updated December. 01, 2017 09:51

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トランプ米大統領が、今度は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「病気の子犬(sick puppy)」と切り捨てた。先月29日、北朝鮮が米全域を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星(ファソン)15」を実験発射した後だ。「病気の子犬」は、病気になって自分の吐いた物を食べる子犬を言う。「狂った犬(mad dog)」なら力があるが「病気の子犬」はふらつき、受け取り方によってはより軽蔑的だ。

◆トランプ氏は、金氏に対して「狂った男(mad man)」という言葉を何度も使った。それでは物足りなかったのかこき下ろす表現を使い始めた。そうして出てきたのが今年9月、国連総会の基調演説での「リトル・ロケットマン」だ。今回の「病気の子犬」も同じ系列だ。トランプ氏はその一方で、金氏が多少従順になるようだと「なかなかの切れ者(pretty smart cookie)」と言って多少ほめることもした。

◆金氏はトランプ氏の「リトル・ロケットマン」に対して、「おいぼれ(dotard)」という言葉で反撃した。金氏が正確にどのような韓国語を使ったか分からない。北朝鮮の対外宣伝メディア「朝鮮中央通信」がその言葉を「dotard」と翻訳して伝えたのだ。AP通信によると、朝鮮中央通信は朴槿恵(パク・クンへ)前大統領弾劾当時、朴氏を支持する父母(オボイ)連合デモ隊を指してこの言葉を使った。

◆ブッシュ元大統領が「辺境(outpost)」国家と呼んだ北朝鮮のおかげで、多くの米国人が「dotard」という古めかしい単語を知ることになった。金日成(キム・イルソン)大学英文学科卒の脱北者から北朝鮮の英文学科はモンゴル海軍と似ているという面白い例え話を聞いたことがある。モンゴルは海がないため海軍は実戦訓練をすることができない。北朝鮮大学英文学科の学生も主に本を通じて英語を学び、実際に使われる英語を学ぶ機会はほとんどない。そのためシェークスピアやチョーサーの文に出てくるような単語を実生活の英語のように使った可能性がある。トランプ氏の「病気の子犬」にはどのような言葉で反撃するのだろうか。

宋平仁(ソン・ピョンイン)