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聖火リレーの醍醐味

Posted November. 02, 2017 09:55,   

Updated November. 02, 2017 10:57

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ギリシャ神話の偉大さには、プロメテウスと火に関する物語も一役買っている。ゼウスは自分の異母弟であるプロメテウスが、神々が持って遊んでいた火を盗んで人間にもたらしたことに憤って、プロメテウスを山の頂上の岩に縛り付けておき、ワシにその肝を食いちぎられる苦しみを経験させた。火は、神同様のものであり、そうであったおかげで、人間は動物の世界から抜け出すことができたという認識を読むことができる。

◆古代ギリシャオリンピックでは、競技場に火を灯した。プロメテウスが自分を犠牲にして、人間にプレゼントした火への感謝を表現するためのものだったという。聖火は、1896年にギリシャ・アテネで復活したオリンピックでは再現されなかったが、1928年のオランダのアムステルダムオリンピックで初めて登場後、現在まで続いている。ギリシャで採火された聖火が平昌(ピョンチャン)冬季五輪のために昨日、韓国に到着した。ギリシャの現地ではサッカースター朴智星(パク・チソン)選手がリレーし、国内リレーの最初の走者は、フィギュアスケートの期待の星、ユ・ヨン選手だった。

◆聖火リレーは、開幕式に登場する最後の走者が最大の関心事となっている。1996年の米アトランタ五輪でのモハメド・アリのように、国民的英雄であるスポーツスターが務めるのが慣行である。 1988年のソウル五輪では、マラソンの金メダリスト孫基禎(ソン・ギジョン)氏が最後から2番目、アジア大会の3冠王である林春愛(イム・チュンエ)が最後走者を務めた。平昌五輪では、フィギュアスケートの金メダリスト金姸兒(キム・ヨナ)が有力な候補となっている。

◆金姸兒は平昌オリンピックの広報大使としてあらゆる関連行事に登場しており、最後の走者まで務めることになれば、過度に出すぎたことになる。2014年のブラジル・リオ五輪では、サッカー選手のペレの名が強く上がったが、マラソン選手のバンデルレイ・デ・リマが引き受けた。彼は2004年のアテネオリンピックのマラソン競技で、決勝点の約5キロ前までは先頭を維持していたが、アイルランド出身の終末論者に押されて倒れた。起き上がって再び走ったが、最終的に3位で通過した。それでも笑顔を浮かべて銅メダル獲得を喜んだ。皆を驚かせながらスポーツ精神を呼び覚ますランナーを登場させることができれば、聖火リレーの醍醐味はより大きくなるだろう。