Go to contents

お金がかからない長寿の秘訣

Posted October. 31, 2017 09:56,   

Updated October. 31, 2017 11:14

한국어

イタリアのサルタニア、日本の沖縄、ギリシャのイカリアの共通点は?100歳以上の高齢者が多い長寿地域として、「人が死ぬことを忘れた島」と呼ばれる。7年間、長寿の村を尋ね歩いて研究した米国のダン・ベットナー氏は、ここを「ブルーゾーン」と命名した。

◆長寿かどうかを決定するうえで遺伝子も重要だが、生活習慣や環境などが多大な影響を及ぼす。ベットナー氏は、ブルーゾーンの高齢者の共通分母を基に長寿の公式を出した。第一が、時間と金を使って運動をするのではなく、日常生活で体を動かすということ。腹八分目で未練なく箸を下ろし、時計に縛られずにゆったり暮らすことも100歳の高齢者たちから学ぶべき点だ。

◆長生きするためには、このような長寿の秘訣だけでは足りない時代がきた。最近は、豊かな暮らしをする人が概して長寿を享受する。最近、保健福祉部の国政監査資料によると、高所得層と低所得層の寿命の格差は6.6年だった。健康保険料の納付額を基準に所得と寿命の関係を分析すると、2015年上位20%の高所得層の期待寿命は85.14歳、下位20%の低所得層は78.55歳だった。貧困階層は、喫煙、飲酒、栄養の不均衡のような危険にさらされやすく、病気にかかっても適切な治療を受けることが難しいためだ。所得にともなう寿命格差は、世界各国で社会的問題として台頭している。

◆未来には、高齢者の居住環境に、人里離れた長寿村ではなく、先端医療施設を備えた都市が1位に選ばれるだろう。経済的な豊かさは多くの人々が希望するが、望むからといって誰でも享受できるわけではない。しかし、病気なく長生きする戦略には、金のかからない方法もある。規則的な生活と節制した食習慣は基本、ここに人生に対する前向きな考え方、家族や社会的関係が大変重要だ。一人暮らしが趨勢だが、一人で暮らす人は、親密な社会的関係を構築した人に比べて約8年寿命が短縮する可能性があるという研究もある。家族であれ友人であれ、苦楽を共にする人がそばにいることこそ、最も良い長寿の秘訣かもしれない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com