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無人コンビニ

Posted October. 30, 2017 09:25,   

Updated October. 30, 2017 09:50

한국어

「コンビニの天国」と呼ばれる日本では、コンビニを背景にコンビニの従業員が書いた小説も誕生した。権威ある文学賞である芥川賞(2016年)を受賞した「コンビニ人間」がそれだ。作家村田沙耶香はコンビニで18年間バイトをした経験をもとに、マニュアル通りに商品が陳列されたコンビニの風景と共に、おにぎりなどのコンビニ食品で食事を済ませながら夢も野望もなく生きていく若者たちの群像を描いた。

◆1人世帯の増加と高齢化で、韓国もコンビニが急増し、2016年に3万店を突破した。人口比コンビニの数は、日本の1.5倍となっている。年中無休24時間営業に、簡単な食事の解決と生活必需品の購入はもとより、洗濯、宅配便、金融サービスまで可能なコンビニこそ、多忙な韓国人のライフスタイルによく似合う空間だ。ソウル大学の全相仁(チョン・サンイン)教授は、著書「コンビニの社会学」で、「日常生活で必要なすべての機能を一カ所に集結させて、巨大な統合ネットワークを構築したという点で、コンビニは新しい統治装置だ」と主張した。

◆コンビニでは、人同士が知らないふりをするのがエチケットだ。バイトとゲストとの関係も同様だ。コンビニのスタッフは客に商品を勧めせず、ひたすら計算ばかりする。匿名性を基にしたこのような「クール」な関係が、現代人がコンビニを好む理由の一つだ。ところがこれからは、コンビニで制服を着たバイト従業員すらめにできなくなるかもしれない。「2020年の最低賃金時給1万ウォン」を控えて、これに耐えられないコンビニが、あらかじめ無人店舗を拡大しているからだ。

◆新世界(シンセゲ)系列「Eマート24」のソウル朝鮮(チョソン)ホテル店と全州(チョンジュ)教大店は24時間にわたって、ソンスベクヨン店と長安(チャンアン)メトロ店は深夜と早朝の時間帯に店員を置かない。客がセルフレジでクレジットカードや後払い交通カードで決済すればよい。ロッテ系列のセブンイレブンが5月、ソウル蚕室(チャムシル)にあるロッテワールドタワーにオープンしたスマート無人コンビニ「セブンイレブンシグネチャ」は、静脈認証決済システムを採用した。客が手のひらをかざせば決済が終わる。善意で用意された最低賃金の急激な引き上げが職を失わせる逆説が、コンビニでも確認することになり、後味が悪い。