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ケネディ暗殺の機密文書

Posted October. 28, 2017 09:59,   

Updated October. 28, 2017 10:13

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今年は、米国の第35代大統領ジョン・F・ケネディが生まれてから100年になる年だ。魅力的な妻ジャッキーとホワイトハウス入りした若くてハンサムな大統領。彼の早い死と家族史の不幸など、劇的な展開と結末は今も米国人の心をひきつけている。

◆ソ連背後説からCIA介入説まで、あらゆる陰謀説が出回るケネディ暗殺に関する機密文書2891件が54年ぶりにベールを脱いだ。1992年に制定された機密解除期限に合わせて、26日(現地時間)に公開された資料によると、暗殺犯リー・ハーヴェイ・オズワールドが犯行の2ヵ月前、旧ソ連のKGB要員と接触した事実が明らかになった。ソ連背後説が説得力を得ている。暗殺事件を調査したウォーレン委員会が1964年、「単独犯行であり、背後はない」と明らかにしても、これをありのままに信じる米国人はほとんどいない。

◆今回も暗殺ミステリーに関連した疑惑がきれいに解けるかは未知数だ。ドナルド・トランプ大統領は当初公開予定だった機密文書の一部は、公開を先送りした。国家安保を脅かしかねないという情報当局の意見に従ったのである。マリリン・モンローをはじめとする数多くの女性とスキャンダルを起こし、一部からは「米歴史上、最も過大評価された著名人」と評価される指導者。それでも、ケネディの政治遺産は少なからぬ重みをもっている。

◆冷戦の真ん中、核戦争の影が濃くなった1960年代初頭、彼は米大統領として重大な責任を肩に背負った。ソ連がキューバにミサイル基地を作ると、戦争を覚悟して海上封鎖を決定する断固たる対処で危機を乗り超えた。「私達は月に行くことにしました。それは易しいからではなく、難しいからです」などの演説を通じて国民に新たな未来への希望も示した。短い在任期間中に優れた危機管理能力と進取的ビジョンを基に、リーダーの存在理由を浮き彫りにさせたのだ。これまで以上に、韓半島をめぐる情勢が厳しい今、私たちにもケネディのリーダーシップを参考するくだりがあるはずだ。作家の李炳注(イ・ビョンジュ)は、「太陽により色あせすれば歴史になり、月光に染まれば神話になる」と主張した。国の統合と未来を夢見たケネディの遺産は、今後も月明かりの下に残っているだろう。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com