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坊ちゃんと妻の兄弟

Posted October. 02, 2017 09:52,   

Updated October. 02, 2017 09:57

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都心のど真ん中の踏切で某政党の垂れ幕を見た瞬間、足が自然に止まった。今回の秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句)連休は入試、就職、結婚については問わず、「脱核」について話そうと促す内容である。せっかく集まった家族や親族の胸に擦り傷ができるような話はやめようという提案は斬新だった。しかし、その代わりに勧めた時事イッシュのせいで、家中の空気がぎこちなくなればその責任はどう取るつもりなのか。

◆いよいよ「火病(気病み)」のシーズンに突入した。大韓民国だけにあると言われている火病は、祝日前後に頻繁に発生する。国民健康保険公団によると、秋夕のある9月と10月に病院を訪れる火病患者が急増していることが分かった。火病から始まった祝日症候群は、祝日離婚にもつながる。この5年間、旧正月と秋夕以降の離婚件数は前月に比べて平均11.5%が増えたというのが統計庁の昨年の発表だ。家父長制の影響で夫の実家と妻の実家との間に傾いた運動場は依然存在している。祝日症候群ウイルスは、姑と嫁との間のトラブルに主に寄生するが、とある姑の処方箋は単純明快で印象的だ。「私の娘ならやらせないことを嫁に要求しない」

◆それでもアルファガール世代の嫁の浮上と共に、多方面で変化の風が吹いている。最近、大統領府の国民請願掲示板に、「多くの嫁が同等の立場で保護されるべき権利」というタイトルで夫の実家の構成員を巡る呼称問題を提起した文が呼応を得ている。夫の家族の呼称はアジュボニム、若旦那、坊ちゃん、お嬢様などの尊称一色だが、妻の実家は、妻の兄、妻の弟、妻の妹など、尊称の意味がないという指摘だ。

◆この請願人は、「2017年を生きている今の性平等にも反することであり、女性の自尊心が低くならざるをえない呼称だ」と主張して改善を促した。これに対して、「不平等は言語から始まる。外家(母の実家)、親家、本家(ともに夫の実家)という言葉も改善しなければならない」というコメントがつくなど、勢いが増している。昨日、ちょうど文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、大統領府の公式ソーシャルネットワークサービスを通じて、「今年の秋夕は、女性と男性が共に楽しむことになればと思う」という挨拶を伝えた。誰もが楽しさを一緒に共有するのが祝日の存在理由ではないだろうか。片方の献身と犠牲ではなく、誰もが幸せな秋夕連休を送れますように。

高美錫(コ・ミソク)論説委員