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バナナと膝デモ

Posted September. 27, 2017 07:52,   

Updated September. 27, 2017 08:34

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アメリカンフットボール(NFL)サンフランシスコのクォーターバックだったコリン・キャパニックは、タッチダウンで得点を上げると右腕の二頭筋にキスするセレモニーで有名である。彼の名から取って、「キャパニッキング(Kaepernicking)」と呼ばれるこの行動は、ミシェル・オバマ米前大統領夫人が真似するほど人気を集めた。

◆キャパニックの腕キスは、当分目にできないものとみられる。自由契約選手(FA)になったキャパニックはまだどのチームとも契約していないからだ。白人と黒人のハーフであるキャパニックは、昨シーズン、国歌が演奏される間、「有色人種を差別する国のためには立ち上がらない」と跪いて座り、黒人の支持と白人の非難を同時に受けた。論議を避けるために、各プロチームが彼を雇っていないという声まで出ている。ドナルド・トランプ大統領が24日、NFL選手たちの「膝デモ」を非難したことで、「元祖」ともいえるキャパニックが再び話題になっている。同日、200人あまりのNFL選手たちが跪いた。

◆2014年、スペインのプロサッカーでブラジル出身のダニ・アウベスが、観客がグラウンドに投げたバナナを拾い上げて何気なく食べたことがある。バナナは黒人を猿扱いする人種差別の象徴である。以来、多くの選手たちが、ソーシャルネットワークサービス(SNS)にバナナを食べる写真を掲載した。選手時代、朴智星(パク・チソン)は人種差別的発言をしたジョン・テリーの握手を拒否し、朴賛浩(パク・チャンホ)は人種差別的悪口をしたティム・ベルチャーに「足蹴り」で切り返した。

◆1965年、国連が「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」を採択後、ほとんどの国ではタブーとなっている。韓国でも人種差別は「免責可能性が考慮される必要のない行為」であり、「損害賠償請求権の原因になりうる行為」(ナム・ギヨン檀国大学教授)だ。1968年のメキシコシティオリンピックの陸上金メダリスト「トミー・スミス」が人種差別に抗議して、黒い手袋をはめて表彰台に上がった後、多くのスポーツマンが人種差別デモを行った。スポーツスターの抵抗が目立つのは、彼らが持つ大衆性と影響力のためである。今回の膝デモが再び人種差別をめぐる注意を喚起させるきっかけになった。

朱性元(チュ・ソンウォン)論説委員