Go to contents

中国「海帰」の屈辱

Posted September. 19, 2017 09:05,   

Updated September. 19, 2017 09:21

한국어

米ニューヨーク大学で音楽テクノロジー(MT)を専攻した中国の若者「エリック・チャン」は、留学費用として100万元(1億7000万ウォン)以上を使った。学位取得後帰国して1年間、関連分野の20社とインタビューをしたが、仕事にありつけなかった。結局、専攻とは関係のない国営出版社になんとか就職した。最近、香港誌「サウスチャイナ・モーニングポスト」が紹介した「留学組の礼遇事例」だ。

◆最近中国では、留学組の若者たちが「あ~昔よ!」を叫んでいる。一時海帰(外国留学を終えて帰国した若者たち)」というと、企業採用0順位、結婚相手1順位に挙げられたが、状況が変わった。留学生が急増したうえ、景気減速の影響で雇用市場が低迷し、失業海帰を指す海待(就職待機者)という新造語まで生まれた。かつては海帰と発音が同じ「ウミガメ」というニックネームで羨ましがられていたが、今は海待と同じ発音の「ワカメ」と呼ばれて笑い物に転落した。

◆昨年、海外に出た中国の留学生は54万4000人、帰ってきた留学生は43万2500人。留学の希少価値が消え、海帰の44.8%が初任給6000元(約104万ウォン)以下であることが調査の結果分かった。中国内の大学院卒業者の平均初任給月4777元、大卒初任給である3678元よりは多いが、留学に使った費用と努力を考えると、海帰の目線にははるかに及ばない待遇だ。もっと深刻な問題は、給与とは関係なく仕事を見つけること自体が難しいことだ。外国大学の博士号所持者が中学校の教師として働くケースが数えきれないほど多いという。

◆日本企業は従業員を採用する際、海外の大学を卒業した留学組より国内組を好む。厳しい位階秩序を尊重する企業文化に適応できず、途中退社するケースが多いという理由からだ。韓国も最近は留学経験を確かに喜ばない雰囲気だ。留学組であれ国内組であれ、若者たちが激しい就職戦線のストレスに苦しむのは万国共通の現象らしい。外国大学の卒業証書が就職市場の万能キーではないという事実、「ヘル朝鮮」「土匙」を嘆くこの地の若者たちに少しでも慰めになるのかもしれない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員