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「我々の敵はいつも米国」

Posted September. 18, 2017 08:09,   

Updated September. 18, 2017 08:25

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米国のニュース週刊誌「タイム(TIME)」のソウル駐在記者であるキム・ソンハク氏は、北朝鮮の3代世襲政権の反米発言を分析して出した本「スコーピオンの叫び」の中で、「日付さえ除けば、ほぼ同じだ」と伝える。金日成(キム・イルソン、1985年)、金正日(キム・ジョンイル、1993年)は、韓米合同軍事演習を「共和国の北半部を先制打撃するための予備戦争であり、核試験戦争だ」と主張した。15日のミサイル発射直後、金正恩(キム・ジョンウン)が「最終目標は、米国と力のバランスを取ることだ」と米国を狙ったのも交渉用ではなく、信念化された発言と見なければならない。

◆米CNNが今年の夏、北朝鮮を半月間訪問して撮影し、16日に放送した「未知の国:北朝鮮の中で」は、反米洗脳の実状がそのまま表れている。10代の少年たちは、電子ゲームの中の敵を「米国奴ら」とし、「私が米国人なら撃つのか」という記者の質問に大声で「はい」と答えた。元山(ウォンサン)に住む住民は、「ミサイル発射は痛快である。私たちの防衛のためのものなのに、なぜ米国が制裁をするのか」と問い詰め、女性農民は、「米国はどのような国で、なぜ私たちを苦しめるのか、直接行ってみたい」と話した。「純朴な住民たちは一様に米国に敵意を持っていた」と語る記者の声が震えた。

◆今回取材を受け入れた北朝鮮の狙いは、住民たちの反米意識を通して核開発理由を正当化し、「マイウェイ」を進むというメッセージを伝えるためと見られる。しかし、1時間にわたる放送中、平壌(ピョンヤン)の住民たちの生活を撮影した映画「太陽の下」のロシアのビタリ・マンスキー監督の言葉が重なった。「北朝鮮では人間のリアクション(反応)が存在しなかった。平壌は人々を殺し、苦しめる5つ星のホテルだった」。

◆「スコーピオンの叫び」の著者の言葉通り、「北挑戦の反帝・反米は放棄すれば政権が否定される降りられない『虎の背中』だ」。気の毒なのは人民である。北朝鮮は、私たちが対北人道支援を明らかにした16日も、文在寅(ムン・ジェイン)政府を「傀儡当局」と主張し、「『対話と圧力の並行だなんて』いうのはとんでもない詭弁だ」と主張した。核兵器と大陸間弾道ミサイル(ICBM)が実戦配置されると、「米帝が占領した韓国解放」という北朝鮮の最終目標が完成するのだ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@Donga.coメートル