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AIディストピア

Posted August. 15, 2017 09:40,   

Updated August. 15, 2017 10:02

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リドリー・スコット監督の新作「エイリアン:コヴェナント(2017)」で、人間の体を宿主にして成長する外界生命体より、さらに観客を恐怖に追い込むのは人工知能(AI)ロボットである。映画に登場するAIは「創造」について悩んだ末、自ら地球外生命体の創作者になることを決心し、そのために人間を犠牲にする。

◆AIがもたらす暗い未来を扱った映画は、片手で数えるのが難しいほどだ。「ターミネーター(1984)」、「マトリックス(1999)」「アイ、ロボット(2004)」などがAIの脅威をアクションと混ぜて興味深く表現したなら、「エクス・マキナ(2015)」は、AIの副作用についてより真剣にアプローチした作品である。当時は、コンピュータやロボットで表現されたが、「2001年宇宙の旅(1968)」や「ウエストワールド(1973)」などを見ると、すでに50年前から「AIの反乱」は、映画の素晴らしい素材だった。

◆最近、フェイスブックのAIチャットボットが、人間が理解できない文法でAI同士で会話をして、強制停止されたことがある。AIが人間を排除して疎通した可能性があるからだ。これが事実なら、いつかはAIが人間の知らない言語で会話し、学習して自ら進化するかもしれない。フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグが代表的な「AI楽観主義者」に挙げられるということも、皮肉なことである。

◆テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日、ツイッターに「あなたはAIの安全性について、絶対心配しなければならない。AIは北朝鮮よりもはるかに危険である」という文を掲載した。「最終的には機械が勝つだろう」というポスターも添付した。続いて「大衆に危険を与えかねないすべてのもの(自動車、飛行機、食品、医薬品など)は規制を受ける。AIも同じだ」とも主張した。イスラエル・ヘブライ大学のユヴァル・ハラリ教授の警告も耳を傾けるに値する。彼は先月、訪韓記者懇談会で、「AIは数十億人の人間を失業に追い込むこともできるし、史上最も不平等な世界を作ることもできる」と主張し、AIが少数の人間だけに権力を与える可能性も提起した。「AIディストピア」が思ったより近くに迫っているのかもしれない。