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新政府5ヵ年計画、現実を反映させて柔軟に調整せよ

新政府5ヵ年計画、現実を反映させて柔軟に調整せよ

Posted July. 20, 2017 11:13,   

Updated July. 20, 2017 11:25

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政府が19日、「国民の国、正義の大韓民国」をビジョンに掲げた国政運営5ヵ年計画を発表した。「国民が主人公である政府」、「共に豊かに暮らす経済」、「人生に責任を負う国家」などの5大国政目標の下、20大国政戦略、100大国政課題、487の実践課題を盛り込んだ。政権移行委員会の役割を担った国政企画諮問委員会が作成した新政府国政の青写真なので、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙公約と別段大差はないが、現実の状況に合わせて修正したいくつかの内容が注目される。

 

5ヵ年計画は文大統領の大統領選公約集と大同小異だ。「ろうそく革命の完成」、「共に成長」といった大統領選公約集の4大ビジョンから地域発展の項目を切り離して5大国政目標として提示した。「積弊清算」を最優先に置いたのも公約集と違いはない。ただ、「積弊清算特別調査委員会」(仮称)を設置するという当初の公約の代わりに省庁別にタスクフォースを構成することに修正し、公正取引委員会の専属告発権の全面廃止を段階的廃止に緩和した。通信費基本料の一括廃止公約も一歩後退した。社会的論議と実現可能性を考慮した措置と見える。

特に、文大統領は発表直前に、戦時作戦統制権の返還時期を「任期内」から「速やかに」に修正するよう指示した。戦作権返還の時期はすでに2度も延期になり、2020年代半ば以降と予定されている。それも韓半島の不安定要素の解消と韓国軍の準備能力の確保という条件がついている。北朝鮮の核・ミサイル挑発が続く厳重な安保現実を考慮し、時期を決めずに現実的に柔軟に対応するという態度と見える。文大統領は、宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官を任命する際も、時期について「いつになるか分からないが・・・」と明言しなかった。

5ヵ年計画は、経済・福祉分野で庶民と中小企業を支援して福祉を拡大するなど公平性強化に焦点を合わせるだけで新たな成長動力は見られない。さらに大きな問題は実現の可能性だ。基礎・障害者年金の引き上げと0~5歳の児童手当てなど福祉だけで2022年までに77兆4000億ウォンが必要となるなど、計178兆ウォンの家計簿となる。朴槿恵(パク・クンへ)政権序盤の公約家計簿の規模(135兆ウォン)より43兆ウォンも多い。歳入拡充と歳出削減という言葉で論議を避けているが、大規模な増税がなくては政策推進が難しいのが現実だ。今日から2日間、国政運営計画を後押しする国家財政戦略を議論するというが、順序が逆ではないのか問わざるを得ない。

スタートしたばかりの政府が選挙時に提示した公約を直ちに修正することは難しいだろう。文大統領も「自分の言葉に強迫観念を持つ人」と言って約束履行を強調してきた。しかし、歴代政権と違って当選してすぐに実戦の国政運営に飛び込み、70日の体験学習を経た文大統領だ。今回、一部で微細調整したが、目標だけを意識した無理な推進は副作用を避けることができない。文大統領の言葉通り5ヵ年計画は設計図であり羅針盤だ。現実の状況と実現可能性に基づいて目標と方向を調整して柔軟に対応することが国政を成功させる知恵だ。