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文大統領が言った「血盟」、THAADで色あせてはならない

文大統領が言った「血盟」、THAADで色あせてはならない

Posted June. 30, 2017 08:58,   

Updated June. 30, 2017 08:59

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日、訪米最初の日程で長津湖(チャンジンホ)戦闘記念碑を訪れ、「長津湖勇士がいなかったなら、興南(フンナム)撤収作戦の成功がなかったなら、私の人生は始まることはなく、今日の私もいなかっただろう」と述べた。韓国戦争に参戦した米軍の犠牲によって韓国に来ることができた避難民の息子として「血で結ばれた韓米同盟」に送った献詞だった。文大統領の同盟外交の第一歩は、これに対する米海兵隊司令官の「共に進もう!」という応答で始まった。

文大統領は30日、ホワイトハウスでトランプ大統領と初めて対面する。晩餐会と首脳会談で、韓米同盟の強化や対北朝鮮政策の調整、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題など敏感な懸案を論議する。初の階段であるため、両首脳は虚心坦壊に互いの意見を述べ、可能な線で合意を模索し、残りは後の議論に送ると見える。意見の相違は徐々に解消していくという実用的アプローチだが、残された葛藤が新たな火種にならないよう両国外交当局がうまく管理していかなければならないだろう。

何よりも北朝鮮の核・ミサイルの解決策をめぐって対話の敷居を「凍結」に下げようとする文大統領の提案にトランプ大統領がどう反応するか注目される。北朝鮮の挑発を止めさせて対話に引き出すための避けられない選択だというが、対話よりも圧力に集中するトランプ政権の反応が、今後の両国の対北政策の重要変数になるだろう。文大統領が米国に向かう機内で、「北朝鮮の核凍結と韓米軍事演習は関連しないというのがこれまでの韓米の公式立場」とし、「核凍結と軍事演習縮小を結びつける」という大統領選候補時の立場から後退したのも、米国の共感を引き出すための努力だ。

トランプ大統領が要求してきた韓米自由貿易協定(FTA)再協議については、文大統領が建設的な議論をすることで合意する可能性が高い。訪米に同行した経済人団52社の企業は、今後5年間で米国に約40兆ウォンの投資をするというプレゼントで米国側の要求を和らげる先制的対応を取る考えだ。

問題は、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題だ。ひとまず相互理解のもとで建設的な議論を継続することで意見の相違を縫合する可能性が高い。ホワイトハウス関係者は、THAADと関連して「すでに多くのインクがこぼれた」と述べ、両国間の意見の相違が表れており、依然として合意点が見いだせずにいることを示した。駐韓米国大使館は最近、THAAD配備に反対する団体が先週末、光化門(クァンファムン)の米国大使館を19分間包囲するいわゆる「人間の鎖デモ」をしたことを受け、韓国政府に抗議した。にもかかわらず、この団体は29日から米国大使館前で夜通し座り込みと決起大会をしている。対米外交をする大統領の足を引っ張る行動だ。

国際関係で同盟は何とも比べることができない最上位の関係だ。しかし、共通の理解がなければ、相互葛藤を調整できなければ、一日で紙切れになり得る。60年以上続いた韓米同盟ももはや疲労しているという診断が少なくない。両首脳は初の会談で、血で結んだ韓米同盟が共通の利害を越える歴史と連帯に基づいていることを認識し、これを土台に新たな同盟の歴史を書くことを望む。