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「愛国は保守・進歩を分けることはできない」という文大統領の追悼の辞

「愛国は保守・進歩を分けることはできない」という文大統領の追悼の辞

Posted June. 07, 2017 08:37,   

Updated June. 07, 2017 08:37

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日、第62回顕忠日の追悼の辞で、「愛国は今日の大韓民国をあらしめた全てであり、国家のために命を捧げた一人ひとりがまさに大韓民国だ」とし、「保守と進歩に分けることもできず、分けられることもないそれ自体で十全な大韓民国だ」と強調した。文氏はさらに、輝かしい経済発展の踏み石を置いたドイツ派遣鉱夫やドイツ派遣看護師、清渓川(チョンゲチョン)作業場の女性労働者にも心の勲章を授与すると言った。今日の大韓民国があるまでに戦場で国を守ったことだけでなく、産業現場での犠牲と献身も愛国だったと評価したことは、国民統合のために望ましい。

 

文氏は今年3.1節を迎え、「2019年は民主共和国建設100周年であり、親日清算は100年を超えてはいけない」とし、「建国100年論」を主張した。大韓民国の建国の時点を1948年と見る政府の見解とは異なる。文氏の著書『運命』では、ベトナム戦争での米国の敗北と越南崩壊を「真実の勝利」とし、「喜びを感じた」と書いた。その文氏が、産業化で大韓民国を作った歴史を認め、ベトナム戦に参戦した勇士に対して適切な報いをし、礼遇すると言ったことは評価に値する。国家報勲処を次官級から長官級に格上げし、国家有功者と叙勲対象者およびその家族が自尊心を守って生きていけるようにするという方針も望ましい方向だ。

文氏は、野党政治家時代、光化門(クァンファムン)のセウォル号テントの前でハンスト闘争をし、大統領選候補の時もロウソクデモに欠かさず参加した。しかし、大統領になった今はどちらか一方にだけ立っていては、真の統合大統領にはなれない。今回の追悼の辞を通じて、大統領が一方に偏るのではないかという憂慮がある程度払拭されたのは事実だ。しかし、「戦争の経験を統治の手段とした理念の政治、二分する政治を清算する」という大統領の発言がさらなる「積弊清算」の論理になっては困る。文氏が「愛国は保守と進歩に分けることはできない」という言葉を実践するには、セウォル号犠牲者と遺族に対する関心に劣らず、哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没と延坪島(ヨンピョンド)砲撃で犠牲になった将兵とその遺族に対する「適切な礼遇」に努めることを望む。

大統領は「5・18民主化運動と6月抗争が民主主義を守った」と言うが、国なくして民主主義を成し遂げることも難しい。愛国の第一は護国だ。その点で、追悼の辞に韓国戦争と韓米同盟の重要性に対する言及がなかったことは残念だ。米国は、韓国戦争記念式の度に韓国に「共に進もう(Go together)」と呼びかけ、韓米同盟を強調する。文氏は今月末に予定された韓米首脳会談を同盟の価値をさらに高める契機にしなければならない。