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脱原発もいいが、4兆ウォンを失くしてまでして建設事業を中止させては

脱原発もいいが、4兆ウォンを失くしてまでして建設事業を中止させては

Posted June. 03, 2017 08:45,   

Updated June. 03, 2017 08:49

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国政企画諮問委員会の金振杓(キム・ジンピョ)委員長は昨日、産業通商資源部、韓国水力原子力、原子力安全委員会の業務報告で、「新古里(シンゴリ)5、6号機はすでに工事が進行中なので、いったん工事を中止して諸般事項を点検し、継続するかどうかを検討することにした」と明らかにした。新古里5、6号機は昨年、原子力安全委員会から建設許可を受け、現在28%の工程率を示している。政権が替わったからといって建設中の原発の工事を中断させるのは、世界的に例のないことであり、エネルギー政策に大きな波紋を与える見通しだ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は候補時代、「原発政策を全面的に見直したい」と、新古里5、6号機の建設中止、新規原発の全面停止と建設計画の白紙化、2030年までに太陽光、風力などの新再生エネルギー割合の20%までの拡大などを公約した。昨年、慶州(キョンジュ)地震で、韓半島も地震の安全地帯ではないことが証明されたものの、これといった資源一つなく、エネルギーの輸入依存度が98%を超える現状の中、現実的代案なしに脱原発を主張するのは考え直さなければならない。

新古里5・6号機の建設にかかった費用は、すでに1兆5000億ウォンが超えており、建設中止に伴う契約破棄により2兆ウォン以上のコストがかかるものとみられる。着工予定のシンハンウル3・4号機とチョンジ1・2号機の建設準備に使った費用だけでも数千億ウォン台にのぼることが分かっている。このコストを埋没させ、原発を停止するほど、韓国のエネルギー事情はのんきであり、原子力の安全性が脅かされているのか分からない。たとえ脱原発に踏み切っても、月城(ウォルソン)1号など設計寿命のついた老朽化した原発から先に閉鎖すべきであり、建設中の新型原発を中止することは、つじつのが合わないことだ。新古里5、6号機は、アラブ首長国連邦に我々が輸出したモデルである。UAEに輸出までしたモデルを自国政府が中止させるのは、今後、輸出の道まで自ら閉ざしてしまうことになる。

エネルギー政策は風船のようなもので、一方を押すと、他方が飛び出してくる。新再生エネルギーが微々たる状態で原発を規制すると、火力発電を増やす必要があり、火力発電を増やすことになれば粒子状物質が増えることになる。粒子状物質を減らすためには、石炭の代わりにガス発電をしなければならず、すると液化天然ガス(LNG)の輸入に伴う貿易赤字が急激に膨らむ。これは最終的に電気料金の値上げという形で国民負担として帰ってくることになる。

年間1万件あまりの地震が発生した日本政府は、「福島トラウマ」にもかかわらず、2035年まで原発割合を20%にまで拡大すると決定せざるを得なかった。原発に依存せずには到底エネルギー需給を合わせることができないからだ。エネルギー専攻の大学教授約230人が1日、「国家エネルギー政策は、十分な専門家の議論と国民の意見収拾を経て進めなければならない」と、急激な脱原発政策に懸念を表明したことも、そのような流れからだ。エネルギー政策は、政府が長期的目標を持って、社会的合意を経て決定し、政権と関係なく推進すべきことであり、ポピュリズムに流されてはならない。