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八方塞がりの人事政局、与党はさらに身を下げ、野党は協力すべきだ

八方塞がりの人事政局、与党はさらに身を下げ、野党は協力すべきだ

Posted May. 29, 2017 09:04,   

Updated May. 29, 2017 09:05

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与党共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表が昨日、野党に向かって「大統領の善意を歪曲したり、いちゃもんをつけてはいけない」と主張した。「大統領を揺さぶる政略的狙いでないことを願う」とも語った。李洛淵(イ・ナギョン)首相候補の偽装転入問題などを問題にして、国会承認の手続きを防ぐ野党を狙っての発言だった。この発言は与党内部の調整を経て出てきたのではないようだが、このような形の対応が新政府の順調な出発をさらに困難にさせるのではないか心配だ。

第1期内閣を発足させなかった文在寅(ムン・ジェイン)政府としては、閣僚任命提請権者である首相候補から人事検証の岩礁にぶつかって困るだろう。さらに康京和(カン・ギョンファ)外交部長官、金尚祚(キム・サンジョ)公正取引委員長候補までが次々と偽装転入論議に巻き込まれている。後続人事でも同様の問題が再発しないという保障もない。野党の大統領による直接謝罪の要求通りに文在寅大統領が乗り出すと、似たような議論が起きるたびに、その都度、大統領が出なければならないかを巡っても悩ましいだろう。

このような時ほど、文大統領をはじめとする与党圏では、より積極的かつ低い姿勢で野党説得に乗り出さなければならない。任鍾晳(イム・ジョンソク)大統領秘書室長が26日、「人事が国民の目線に及ばず、申し訳ない」と謝罪したのに続き、「共に民主党」の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表は昨日、「民主党が李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・グンヘ)両政府に過度に攻勢をかけたことを振り返ることになる」と頭を下げたことも、このような流れといえる。秋代表の発言は、このような気流に水を差すものである。

文大統領は就任後、補佐陣とコーヒーを手にしたまま散歩をするなど、無造作で新鮮な歩みを見せてきた。このような姿は、バラク・オバマ米前大統領の姿に例えられ、外信は、このような文大統領を、「文バマ(Moon-bama)」と呼んだりもした。これからは、このようなコミュニケーションの歩みを国会に、野党に広げなければならない。オバマ前大統領は協力を求めるために、議員らと通話し、議会を直接訪ねて説得する努力を怠らなかった。大統領が直接遺憾を表明することも、否定的に見ることでもない。新政府の人選基準は、文大統領が直接明らかにした内容であるだけに、大統領が出て理解を求める必要がある。

今日から新政府発足後、初の臨時国会が始まる。ねじれ国会で協力は欠かせない。文大統領をはじめとする与党圏の努力が優先されなければならいないが、野党も、新政府発足早々、協力すべきことは協力しなければならない。与党圏が低い姿勢で協力を要請のに野党が拒否すれば、国民は納得できないだろう。