Go to contents

疎通と分権の第7共和国時代を開く大統領は誰か

疎通と分権の第7共和国時代を開く大統領は誰か

Posted May. 09, 2017 08:45,   

Updated May. 09, 2017 08:46

한국어

国民は新しいリーダーシップを望む。朴槿恵(パク・クンへ)政権は単なる親朴(親朴槿恵)覇権主義を越え、1987年の民主化以前の権威主義への時代錯誤的な退行だった。朴前大統領は、国民と意思を疎通するどころか長官との対面も避け、大統領府執務室にもあまり姿を現さなかった。その秘密主義が最終的に崔順実(チェ・スンシル)被告との国政壟断を生む土台となった。弾劾は陰湿な権威主義に対する審判だった。

1987年の民主化で民主主義的な政治制度の枠組みができたが、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)政権で派閥中心の覇権主義が続いた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は過去の政治との断絶を試みたが、清算の過程での独断的な性格によって、かえって親盧覇権主義に流れてしまった。新しい大統領は、古い権威主義はもとより狭量の派閥覇権主義まで越える真の民主的リーダーでなければならない。

 

大統領は側近が書いた原稿を読む大統領ではいけない。今回の大統領選ではテレビ討論が候補の評価に少なからぬ影響を及ぼした。国民が討論に強い候補を好んでいることが明らかになった。新政権の大統領は、先進国の大統領や首相のように記者団と常に1問1答を行い、国会議員との激しい討論を拒まず、テレビと街頭で国民と隔意なく対話をしなければならない。

国民は説得するリーダーシップを望む。大統領がいくら正しいと感じても国会を、また国民を説得せずに国を導いていける時代は去った。朴前大統領の労働改革法案が経済活性化に向けて必要な法案だったとしても、国会を説得して世論の同調を得られずに失敗に終わった。李明博(イ・ミョンバク)元大統領の4大河川事業は、その成否に対する評価は別にして推進過程の権威的性格のために今でも論議が続いている。国民の声を傾聴して政権の目標から設定し直すことができる大統領にならなければならない。

 

憲法上、大統領は国民の大統領だ。当選する過程では一政党の代表者として出て大統領になるが、大統領になると政党ではなく国民の代表でなければならない。今日、選挙を通じて当選する大統領が、過半数の支持を得ようと得まいと、自分を支持しなかった有権者の大統領であることを忘れてはならない。歴代の大統領がこの点を忘れて、支持層に頼って国政を運営しようとして失敗を繰り返した。

 

昨年の総選挙、そして今回の大統領選の過程で同様に、保守と進歩の境界を越えようとする有権者の渇望が感じられる。昨今の政治地形もまた、誰が当選しようが「協治」は、すれば良く、しなくても済むものではなく、せざるを得なくなっている。法律的には国会議員5分の3の同意を要する国会先進化法があるうえ、ある党が政権を執っても議会の過半数を獲得できない「与小野大」を避けることができない状況だ。「協治」は、多数党は妥協して少数党は協力することだ。自分に従えという大統領ではなく、妥協と協力をうまく引き出すことができる大統領だけが成功する大統領になれる。

大韓民国で帝王的大統領の時代が弔鐘を鳴らしている。帝王的大統領制は、国家が経済を主導する時代に合った制度だ。政府が持つ権力は可能なかぎり民間に渡し、大統領が持つ過度な権力は立法・司法・行政の三権に分配する必要がある。新しい大統領は、そのような分権の調停者にならなければならない。新しい第7共和国に進む改憲を成すには、開かれた意思疎通のリーダーシップが必須条件だ。今日選ばれる大統領は、一時代の一人の大統領ではなく、新しい時代を開く大統領でなければならない。