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「レッドライン」を越える中朝、中国は今度も退くのか

「レッドライン」を越える中朝、中国は今度も退くのか

Posted May. 05, 2017 09:13,   

Updated May. 05, 2017 09:13

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北朝鮮が3日、朝鮮中央通信を通じて中国が米国と北朝鮮制裁の協力に出たことは、「朝中(北朝鮮‐中国)関係の根本を否定し、親善の崇高な伝統を抹殺しようとする容認できない妄動」と非難した。また、「朝中関係の『赤い線』(レッドライン)を私たちが越えたのではなく、中国が乱暴に踏みにじってためらいなく越えている」とし、「朝中親善がいくら大切だと言っても、命のような核と交換してまでもの乞いする私たちではないということを明確に知らなければならない」と反発した。北朝鮮が中国を名指しして「裏切り」云々と激しく非難したことは非常に異例だ。

北朝鮮が怒ったのは、先月6、7日の米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談後、中国が、北朝鮮が6回目の核実験など追加挑発をした場合、北朝鮮に対する原油供給を大幅に削減する方針を明らかにするなど、圧迫を強化したことによるようだ。さらに北朝鮮は、25年前の韓中国交正常化や習近平国家主席が2015年9月に戦争勝利70周年記念式典に朴槿恵(パク・クンへ)前大統領を招待したことまで取り上げて不満を吐き出した。

しかし、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙「環球時報」も4日、「中朝友好条約は続くべきか」という社説で、「条約の趣旨は両国の友好協力と地域の平和、安全のためのもの」とし、「北朝鮮の核開発はこのような趣旨に外れる」と繰り返し指摘した。これまで北朝鮮が何をしても一方的に庇護した中国の態度変化が、ついに北朝鮮核問題の深刻さを直視し、北朝鮮に対する戦略的計算が変化したためなら鼓舞的だ。

1961年7月、金日成(キム・イルソン)主席と周恩来首相が署名した中朝友好協力相互援助条約第2条は、「いずれか一方の締約国が武力攻撃を受け、戦争状態に入つたときは、他方の締約国は、直ちにその有するすべての手段をもって軍事的及び他の援助を供与する」と規定する。しかし、中国は最近、環球時報を通じて、米国が北朝鮮の核施設に対する外科手術的攻撃をしても軍事的に介入しないことを示唆した。中朝関係の核心部である友好条約の性格に変化の兆しが現れたのだ。

北朝鮮が中国に激しく抗議するのは、北朝鮮への制裁が効果を出している証拠だ。中国が、北朝鮮に対する原油供給の中止をはじめしっかりと手綱を引き締めるなら、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が持ちこたえるのにも限界があるだろう。しかし、中国が今回も米国に協力するふりをするだけという憂慮も少なくない。中国は、伝統的に北朝鮮の体制崩壊で在韓米軍との緩衝地帯が消えることが北朝鮮の核開発より自国の戦略的利益に反すると考えてきたためだ。

しかし、中国も考え直す時になった。米国のトランプ政権は、北朝鮮の核が自国に直接的な脅威になると見て、北朝鮮の核廃棄を外交戦略の第一目標に想定した。中国は、平和協定締結交渉など対話による現状維持を望むだろうが、北朝鮮が核を廃棄しない限り、米国の対中圧迫はもとより北朝鮮の先制攻撃の脅威は今なお残る。中国は少なくとも北朝鮮の核廃棄問題では日米韓の協力に合わせて国境が接した「時限爆弾」を除去することが長期的に国益に合致するだろう。中国は、中朝関係の悪化を甘受してでも、金委員長の核保有国の野望を折る機会を逃してはならない。