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アイスホッケーで奇跡を起こしたペク・ジソン監督のリーダーシップ

アイスホッケーで奇跡を起こしたペク・ジソン監督のリーダーシップ

Posted May. 02, 2017 08:42,   

Updated May. 02, 2017 08:42

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男子アイスホッケーの韓国代表チームが奇跡の新しい歴史を作った。登録選手が233人に過ぎない韓国が、先月29日、国際アイスホッケー連盟(IIHF)世界選手権ディビジョン1グループA(2部リーグ)で準優勝を果たしたのだ。上位16ヵ国が争う1部リーグへの昇格チケットを獲得するまでは、選手たちの闘魂とともに選手たちに「ワンチーム」精神を吹き込んだペク・ジソン監督のリーダーシップが大きな力になった。

ペク氏は2014年7月に代表監督に就任したが、その3ヵ月前に韓国代表は世界選手権で3部リーグに降格され敗北主義に取りつかれていた。カナダ国籍の韓国系として、いつかは韓国代表を采配したいと夢見てきたペク氏は、監督就任と同時にロッカールームに太極旗(テグッキ)を掲げて、プライドと結束を強調した。「君たちは韓国代表選手です。毎日、国家が第一だと考えなさい」。選手たちに言い聞かせた最初の言葉だった。国内組と帰化選手組とが完全に一つのチームとしてまとめあげるため、自ら作ったノートの最初の一行目に「俺たちは家族」と書いて、選手たちに「ワンチーム」精神を浸透させた。

北米アイスホッケーリーグ(NHL)のスタープレイヤー出身のペク監督が先進のNHL方式で専門のトレーニング業者と一緒に選手たちのフィジカルトレーニングを実施したのも、成功の原動力となった。選手たちの情熱(Passion)に練習(Practice)と忍耐(Perseverance)を加えた「3P」を指導のモットとし、就任3年目で最強のチームに作り上げたのだ。

ペク監督の「ワンチーム・リーダーシップ」は支持層の結集を狙い、分断と対立に明け暮れる大統領選候補たちに少なくない教訓を与える。ペク監督が「俺たちは家族」を強調して歴代最高の成果を出したのに比べ、大統領候補たちは真逆を行っている。それぞれの候補が理想と思う国造りは異なるかも知れないが、国民が願っているのは一つだ。戦争の心配がない、ともに豊かに暮らせる国造りだ。大統領になろうとする政治家なら、すべての国民を包容し、「大韓民国チーム」を作り上げようとする意識が明確でなければならない。今の私たちが必要とするのは、分裂ではなく、統合と希望のリーダーシップである。