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仏大統領選、中道新党が勝利するか

Posted April. 22, 2017 09:11,   

Updated April. 22, 2017 09:12

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フランスの大統領選挙が23日に行われる。21日に起こったパリのシャンゼリゼ・テロ直前に実施された世論調査で、中道系独立候補のマクロン氏が、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首を僅差でリードしていることが明らかになった。共和党など中道・右派の統一候補であるフィヨン元首相、最近、級上昇の急進左派のメランション氏がその後に続き、1位から4位の候補が角逐していることが明らかになった。

今回の大統領選の特徴は、伝統的左右派の社会党と共和党の急激な退潮と中道を標榜した新党の躍進だ。与党社会党のアモン氏は4位に大差をつけられた5位で、決選進出の可能性がほとんどない。共和党のフィヨン氏は支持率3位だが、決選進出の見通しは暗い。韓国の大統領選で右派セヌリ党が分裂して当選の可能性から遠ざかり、左派の「国民の党」が中道を標榜して出て行き、最大野党「共に民主党」の候補を脅かしているのと似ている点がなくはない。単にフランスでは伝統左派政党が没落したが、韓国では伝統右派政党が没落したことが違いと言えば違いだ。

フランスの大統領選挙は、1次投票で過半数を得た候補がいなければ、1週間後に1、2位の候補が決選投票をする。世論調査で1、2位を走るマクロン氏とルペン氏が23日に1次投票を通過して決選で対立するなら、マクロン氏がルペン氏に大差で勝つことが明らかになった。21日のシャンゼリゼ・テロで右派のフィヨン氏や極右のルペン氏が躍進する可能性がなくはない。しかし、予想通りマクロン氏が当選するなら、共和党と社会党政権だけを経験してきたフランスとしては初めてのことだ。主要先進国で第2次世界大戦後に第3党が単独で政権を取った事例はほとんどない。フランスの大統領選の結果は韓国の大統領選にも影響を与える可能性がある。

ドイツのように企業の生産性向上に力を入れることはできず、労働時間の短縮などの分配で雇用の不足を解決しようとしたことが、フランスの慢性的な問題だ。歴代政権は世界最高水準と言える若年失業率を解決できず、選挙で退出を余儀なくされた。2015年のパリのテロと2016年のニースのテロ後、安全不安は国家運営の能力そのものに疑問を抱かせた。しかし、既存の政党が憎いから新しい政党に期待をかけるという心理だけでは成功できない。問題の本質を冷徹に見て、苦しくても正しい解答を追求する有権者だけが、国家を再び発展の道にのせることができる。