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北核抑制と引き換えに、韓米FTAの請求書を突きつけたトランプ政権

北核抑制と引き換えに、韓米FTAの請求書を突きつけたトランプ政権

Posted April. 19, 2017 08:28,   

Updated April. 19, 2017 08:28

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マイク・ペンス米副大統領は昨日、駐韓米国商工会議所で、「韓米自由貿易協定(FTA)を見直して、改善(review and reform)を進めたい」と明らかにした。ペンス副大統領は、「最も憂慮すべきことは、米国の貿易赤字が、韓米FTA発効後2倍以上に増加したことだ」と述べ、「米産業が進出するには、あまりにも多くの参入障壁がある」と主張した。米国の最高位関係者が、韓国訪問で直接FTA改正に言及したことで、韓米FTA再交渉は避けられないものとなった。

その前日、「米国は韓国側に100%立つだろう」と語ったペンス副大統領が、その翌日に韓米FTAの改正を表明したことに耳を疑いたくなるのは、多分韓国的情緒かもしれない。しかし、交渉の達人といわれているトランプ大統領としては、米国が北朝鮮の核脅威を防ぐ見返りとして、貿易不均衡を解消することは、韓米がウィンウィンする方法かもしれない。「中国が米国を強姦している」と主張して、対中貿易赤字を批判していたトランプが、習近平国家主席に対し、北朝鮮圧迫への引き換えに為替操作国指定を免除するのと同じ論理だ。

韓国としては、トランプが選挙遊説で韓米FTAについて、「米国人労働者の雇用キラー(殺人者)」と非難した時から、FTA再協議は予告されたものと見て備えるべきだった。この5年間、世界的景気低迷で世界貿易は年平均2%減少したが、韓米間貿易はむしろ1.7%増加したという貿易協会の3月発表も、米国に伝えるべきだった。しかし、米通商代表部(USTR)が3月、韓米FTAを含む既存の交渉を見直すべきだという内容の資料を出した時も、産業通商資源部(産業部)は、「韓米FTA」再交渉を言及したものではない、その意味を縮小した。今回も産業部と外交部は、再交渉ではなく、「微細な調整」というが、安易な認識だ。

「米国優先主義」という公約で当選したトランプ大統領は、対外政策で自国の利益を最優先する。安保と経済も取引の対象だと見るトランプ政権に、無料ランチなどない。日本の安倍晋三首相は、70万人の雇用創出と70億ドルのインフラ投資という贈り物の包みを持ってワシントンに飛んで行き、その対価として、日米防衛条約強化の約束を取り付けた。政府は、これ以上手をこまぬいていたりせず、韓米FTAが韓米両国にとってウィンウィンだということを強調しながら、国益を最大化できる対策をまとめなければならない。

共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)大統領候補は、2012年の大統領選挙時に、韓米FTAの再交渉を主張した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に妥結した韓米FTAを、李明博(イ・ミョンバク)政権に政権が変わると立場を覆した。文候補は、米国が損をしていると見直しを要求してきた今、どのような立場なのか明確にしてもらいたい。



崔永海 yhchoi65@donga.com