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新しい政治地図を作る5・9大統領選挙、「新保守」の選択に注目する

新しい政治地図を作る5・9大統領選挙、「新保守」の選択に注目する

Posted April. 17, 2017 08:43,   

Updated April. 17, 2017 08:43

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5・9大統領選挙に向けた22日間の公式選挙戦が今日から始まった。昨日と一昨日の二日間、院内5党の候補と共に12人が登録を終えた。全体で17人の歴代最多の候補が出馬し、投票用紙の長さも最も長い30センチに達するだろうという。しかし、すでに選挙戦は「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補と「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補が2強構図を形成して、野党同士がしのぎを削っている。二人の候補のうち、誰が大統領になっても、政権交代は予定された選挙なので、伝統的な地域や保革の対決構図は消えた。ただ、道を失った保守層は、まだ選択の悩みに陥っている状況だ。

韓国ギャラップの先週末の世論調査の結果を見ると、保守を代表するという自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補と「正しい政党」の劉承旼(ユ・スンミン)候補の支持率は、合計しても10%に過ぎない。「保守の牙城」と言われていた大邱・慶北(テグ・キョンブク=TK)でさえ、両候補の支持率は、合計が14%にとどまっている。初の大統領罷免・拘束事態の中で行われる補欠選挙とはいえ、保守はまさに壊滅ともいえる。

保守政治勢力が崩壊したことを受け、韓国社会保守・進歩の理念地図が新たに描かれている。理念的色彩まで重なり、湖南(ホナム)と嶺南(ヨンナム)に明らかに分かれていた「特定地域への大量票」現象は消えた。一部の世代別支持率の差が現れているが、保革対決構図ははっきり和らいでいる。文、安候補のうち、誰が大統領になっても離合集散と政界再編を通じて新しい政治地形が作られるだろう。

「保守の失敗」で韓国社会の保守・進歩の基準点が左に移動したことは事実だ。だからといって、保守層が消滅したわけではない。まだ韓国社会の30%ほどは、自分自身を保守性向と明らかにしている。彼らの多くは大統領弾劾に賛成したが、既存の保守政党への期待を捨てたいわば「新保守層」である。

彼らの選択によって、大統領選挙の結果は乱高下せざるを得ない。特に増え続けていた中道層が減少したことを受け、保守層が増えていることも注目すべき部分だ。ギャラップ調査で、「中道」といっていた回答者は、1週間前の334人から293人に減ったものの、1週間前は236人だった「保守」は、271人に増えた。彼らは安候補(48%)・洪候補(21%)・文候補(17%)の間で悩んでいる。保守政党を生かして回生を期待するか、それとも2強候補の中から選ぶべきかを悩んでいる様子だ。

彼らが戦略的投票に出た場合、重要な選択基準は、何よりも安保観であるだろう。しかし、安全保障に関する限り、文・安共に頼りない。昨今の韓半島の危機的状況の中でも、「米国の先制攻撃と戦争は絶対だめだ」と叫ぶ。少なくとも指導者であるなら、戦争を覚悟してでも平和を守るという決起を示さなければならない。高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の配置について、それぞれ「次期政府で再検討」「候補賛成・党論反対」で曖昧な態度を示している。

両候補を支える勢力も、また新保守の選択をためらわせている。文候補の後ろには、「敵味方の見分け」を事にする「反米運動圏の86グループ」が、安候補の後には、太陽政策を金科玉条とする勢力がある。今後3週間、両候補が示す安保観や周辺勢力に対する態度が、新保守投票者の心、さらには選挙結果を分けることになるかもしれない。