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加害者の北朝鮮に金正男氏の遺体を引き渡したマレーシア

加害者の北朝鮮に金正男氏の遺体を引き渡したマレーシア

Posted April. 01, 2017 08:22,   

Updated April. 01, 2017 08:22

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マレーシアで暗殺された、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の腹違いの兄の金正男(キム・ジョンナム)氏の遺体が、事件から46日が経った31日、北朝鮮に引き渡された。中国外交部が先月31日、「国際慣例によって人道主義の次元で中国は遺体の経由に必要な協力をした」と明らかにし、金正男氏の遺体と駐マレーシア北朝鮮大使館に隠れていた暗殺容疑者3人が北京を経由して北朝鮮に戻ったことが確認された。マレーシア政府が30日、北朝鮮に足止めされていた自国の外交官家族9人の帰還を条件に、遺体と関係者を北朝鮮に送還することで合意した結果だ。世界を驚かせた金正男氏毒殺事件が、中国の協力で北朝鮮の責任糾明もできず、「人質外交」に屈服した最悪の先例として残ることになったのだ。

自国民の安全を最優先しなければならないマレーシア政府を理解できないわけではない。しかし、マレーシア当局は捜査発表を通じて北朝鮮の暗殺容疑者の名前まで公開し、背後が北朝鮮であることを明らかにした。自国の空港で化学兵器を使って暗殺を行った北朝鮮に被害者の遺体を渡して暗殺容疑者を出国させただけでは足りず、停止していたビザ免除協定の再開を検討するという「おまけ」までつけたことは、人道主義の原則はもとより主権国家としてのプライドを放棄することだ。外交官と家族を人質にするなど「外交関係に関するウィーン条約」を無視した行為に屈服することで北朝鮮に誤った信号を与えたことも危険だ。

事がここに至るまで、韓国の外交はどこで何をしていたのか。尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は、マレーシアが金正男氏の遺体を簡単にあきらめないようどれだけ努力したのか、しっかり説得外交をしたのか疑問だ。万事に無気力な韓国外交に大韓民国の運命が任されていると考えると実に不安だ。

北朝鮮に引き渡された金正男氏の遺体は、適切な処理をした完全な状態なので、毒性物質が残っている可能性が高い。北朝鮮が金正男氏という存在を否定し、「キム・チョルの妻リ・ヨンヒ」が遺体の引き渡しを要求していると言って遺体を受け取ったので、彼らの国家テロを告発する1次証拠も隠滅される可能性が高まった。腹違いの兄を消し、責任を免れた金委員長は、当初の目的を達成したと信じるだろうが、化学戦で使う猛毒性の兵器で殺人テロを行った北朝鮮の実体が再確認された。韓国政府は、マレーシアをはじめとするアセアン諸国が特有の連帯意識で国際社会の対北朝鮮圧迫に参加するよう今からでも外交努力を尽くさなければならない。