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大統領選候補たちが直視しなければならない北朝鮮の素顔

大統領選候補たちが直視しなければならない北朝鮮の素顔

Posted March. 30, 2017 09:25,   

Updated March. 30, 2017 09:27

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米国、中国は今、韓半島情勢を韓国戦争後の最も危険な段階と見ている。北朝鮮が6回目の核実験まで見計らっており、暴君金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の核の狂気が韓半島をどこにハイジャックするか不安に包まれた。

まず、連続的な国連制裁にもかかわらず、北朝鮮が崩壊しない原因を考えなければならない。

多くの国連制裁と韓国、米国、日本、欧州などの制裁でも崩壊しない理由は、①偶像化、②唯一領導体系の10大原則、③政治犯収容所、④公開処刑と暗殺、⑤全人民に対する全人民的監視体制、⑥先天的虚偽欺瞞術策、⑦中国の保護、⑧太陽政策などだ。

唯一領導体系は、金日成(キム・イルソン)一家の3代世襲体制によって2500万の住民の命を担保としている。人命が物や動物のように手段化・道具化している。金日成主席の首の後ろのこぶについて話しただけで「言葉の反動」と睨まれ、政治犯収容所に直行となる。政治犯収容所に連座制で連れて行かれた家族は、収監中に強制労働と飢えでほとんどが死ぬ。飢えた収監者は、ミミズやカエル、ヘビ、ネズミで空腹を満たし、収容所は飢えと強制労働、拷問、不法処刑で死体の山となる。カン・チョルファン氏は、収容所内の1匹のヘビは1頭の牛の価値があると「収容所の歌」で打ち明けた。

虚偽欺瞞術策は、70年余りの間継承された3代世襲暴政の属性だ。北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使は、2月に北朝鮮工作員がクアラルンプール空港で行った金正男(キム・ジョンナム)氏毒殺を北朝鮮体制の転覆を狙って米国と韓国が作り出した「政治的捏造騒動」と主張した。金次席大使は、暗殺に使われた猛毒の神経剤VXも韓国が搬入したと居直って責任転嫁した。

最近、総編テレビにしばしば出演するカン・ミョンド、カン・チョルファン、コ・ヨンファン、シン・ドンヒョク氏ら脱北者や北朝鮮に行ってきた専門家の手記、証言録をすべて精読した。結論は、北朝鮮は奴隷集団ということだ。駐英北朝鮮大使館の公使だったテ・ヨンホ氏も子供たちの奴隷の鎖を断ち切るために脱北したと言った。政治犯収容所経験者は、動物以下の無念の「奴隷生活」を血の涙で証言した。

昨年、米共和党の綱領は北朝鮮を「金正恩一家の奴隷国家」、民主党綱領は「苛虐的独裁者が統治する地球上で最も抑圧的な政権」と規定した。昨年5月、欧州連合(EU)外交委員会のカティ・ピリ議員(オランダ労働党)は、北朝鮮の海外労働者を「現代版奴隷」と指摘した。

フランス人権運動家のピエール・リグロ氏は1月にベルギー日刊紙「ラ・リーブル・ベルジーク」への寄稿で、金正恩氏を国際刑事裁判に付託することが奴隷状態の北朝鮮住民を救出する唯一の道だと主張した。ヒットラーは12年間、スターリンは32年間、政治犯収容所を運営した。これらの政治犯収容所は、2人の独裁者の死と共に当代で幕を下ろしたが、金日成一家の政治犯収容所は、70年間の3代世襲を通じて60年余りの間、継承されている。

大統領選を控え、一部の政治家の非常識なポピュリズム的親北朝鮮言動と韓米同盟を軽視する安保不感症は百尺竿頭に立った大韓民国号に大きな荒波をもたらさないか心配だ。大統領選候補は、北朝鮮に対する幻想を捨て、真相をはっきり認識しなければならない。核開発費を与えた太陽政策の勢力が弾劾で廃虚と化した保守をかき乱して政権を取ったかのように軽はずみに行動することは、国の運命を一層危険にさらすだけだ。

呂永茂(ヨ・ヨンム)南北戦略研究所長